衆院厚生労働委員会は9日、障害年金受給者に配偶者や子供もがいる場合の加算について、受給開始後に結婚したり子供が生まれたりしたケースにも対象を広げる「国民年金法等改正案」を、委員長提案として本会議に提出することを全会一致で決めました。週明けの衆院本会議で可決後、参院に送付されます。今国会で成立する見通しです。
障害年金は、20歳以上の人が、病気やけがで重い障害を負った場合や、障害がある子どもが20歳になった場合に原則支給され、障害年金の「受け取りを始めた時点」で、子どもがいたり、サラリーマンで配偶者がいれば、年金額が加算されます。改正後は、障害年金をすでに受け取っており、その後、子どもが生まれたり、結婚した場合も受給できるように要件を緩和します。
障害年金の受給者は平成20年度末時点で約182万人。厚労省は法案成立により数万人が新たな加算対象になると見込んでいます。
トヨタ自動車労働組合の幹部は「労使協定を結んだからといって、いざ運用が始まったらどうなるかわからない。結果的に社員は残業代ももらえないし、休みも取れないということにもなりかねない」とし、また、厚生労働省は、「代替休暇は1か月60時間を超えた月末の翌日から、2か月以内に取得する必要がある。また残業代を全額受け取るか、代替休暇を取得するかは社員の意思による」と必ずしも企業に優位な制度ではないといいます。
これから労使協定を結ぶ企業が少なくない中で、トヨタ自動車労働組合は会社側との協議を経て、代替休暇の導入は見送り、50%の割増賃金(残業代)をもらうことで決着しました。
トヨタ自動車労働組合は、「残業代というのは、働いた分きちんと賃金でもらうもの」とし、「年次有給休暇に合算できるとはいえ、時間単位で取得する代替休暇は職場になじまない。工場などの生産ラインは休みがとれる部署とそうでない部署が出てきて、かえって不公平になる」ということと、残業時間を増やさない制度として、すでに休日出勤の「振替休日」を用意していて、取得している人がいることもある、というのが見送りの理由と説明しています。
代替休暇は、今月4月1日から労働基準法の改正に伴い導入された制度で、月60時間を超える残業時間について、基本的には50%以上の割増率の割増賃金の支払いが必要になりましたが、このうち25%を超える部分について、有給の休暇の付与を行うことで支払ったこととみなす制度です(労使協定の締結が必要)。ただし、この制度に関し、中小企業については当面の間(3年間)は適用猶予(適用されないこと)になっています。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
大企業のサラリーマンらが加入する全国の健康保険組合の9割近くが、2010年度予算で赤字になる見込みになりました。赤字は総額6605億円に上り、過去最悪となることが健康保険組合連合会(健保連)の集計で7日に分かりました。不況による給料の減額が保険料収入を直撃したかたちになります。
健保連が全1462組合のうち1313組合(89.8%)の予算データをもとに推計しました。前年度予算に比べて赤字額は398億円増え、1295組合(88.6%)が赤字の見込みです。保険料の算定基準で、給料に応じて決まる標準報酬月額の平均額は前年度より1.98%減少となり、賞与に応じた標準賞与額も6.51%減と落ち込みが顕著となっています。
財政を安定させるため、日産自動車などの352組合が保険料率を引き上げました。保険料率の平均は全体でも前年より0.19ポイント上がって7.62%になります。財政悪化から09年度中に13組合、今月1日付で3組合が解散し、一方で、61組合は保険料率を引き下げました。
今国会では、中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽの保険料負担急増を抑える法案が審議されています。高齢者医療への支援金について、協会けんぽの負担分を健保組合などが支援する内容で、成立すると健保組合全体で今年度はさらに約330億円の負担増、来年度は500億円の負担増の見込みとなります。
長妻昭厚生労働相は3日、年間3万人を超える自殺者対策として、うつ病など精神
疾患がある患者への支援策などを盛り込む「精神保健医療のビジョン」を年内に取り
まとめる考えを明らかにし、「来年度予算でも一定のものは反映できるようにしたい」
と述べました。
自殺とうつの対策を検討する厚労省プロジェクトチームが月内にも中間報告をまと
める予定としており、それを受けて、精神疾患患者や家族ら当事者の意見を元にビ
ジョンをまとめる方針です。
長妻氏は同日、精神疾患の患者や家族らが集まった会議に出席し、「どなたも精神
疾患になる可能性があるという前提で、取り組んでいく必要がある」と対策を強化して
いく考えを示しています。
長妻厚生労働相は20日、厚労省と局の組織目標を発表しました。局ごとに政策に関する目標を定め、職員がどの程度達成できたかを人事評価の要素にする考えを明らかにしました。
新人事評価では、全職員が半年ごとの業務目標を立ててます。「コスト意識・ムダ排除」などの視点も採り入れ、その評価基準に、組織目標が活用される仕組みです。今後は課や室の目標についても順次定め、半年ごとに更新していくことになるということです。
局の目標はそれぞれ5〜9項目あり、たとえば雇用均等・児童家庭局では「2011年度以降の子ども手当の制度設計」、社会・援護局では「失業者向けの住宅手当制度の支給件数増」などを決めています。
1年間を期限にしたものでは、「ハローワークでフリーター23万人を正規雇用化」「ハローワークの職業紹介による就職率26%以上」などがあります。
また、子供を育てやすい環境づくりを進めるため、男性職員の育児休暇取得率を現在の2%から10%に引き上げるとの目標も掲げています。
詳しくは、こちら(厚生労働省HP)をご覧下さい。