2009年の労働災害による死者数が1075人で前年比で193人(15.2%)減ったことが14日、厚生労働省の集計で分かりました。01年以降9年連続で過去最少を更新しています。一度に3人以上が死傷した重大災害も228件と前年より53件(18.9%)減り、過去最悪の水準を脱したといえます。重大災害の死者数で見ると、46人で前年より14人減りました。
厚生労働省は「リーマン・ショック以降の景気悪化で工場の稼働率が落ちたり、工事量が減ったりしたことが影響した」と分析しています。
業種別の死者数は、建設業の371人(前年比13.7%減)で全体の34・5%、製造業が186人(同28.5%減)で全体の17.3%と、半数近くを占めていますが、いずれも大幅に減少しました。
また、派遣労働者の死傷者数も2864人(うち死者は23人)と前年から49.1%減少しました。いわゆる「派遣切り」の多発で製造業派遣への批判が高まり、企業の間で請負や契約社員に切り替える動きが広がったため、急減したとみられます。
中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)などの医療保険の救済法が12日、参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立しました。協会けんぽの財政支援のため、大企業のサラリーマンらの健康保険組合(健保組合)や公務員らの共済組合に負担の肩代わりを求めることが柱となっており、国庫補助も増やして、保険料率の上昇を抑えます。
財政悪化により、協会けんぽの保険料率(労使折半)は2010年度に全国平均が8.2%から9.9%に急増する試算になりました。これを抑制するには国庫支援だけでは賄えないため、3年間の特例措置として健保組合が年間500億円(今年度は330億円)、共済組合が350億円(同230億円)を負担します。これらにより、協会けんぽの保険料率は全国平均で9.34%に抑えられることになります。
財政難の折、協会けんぽ支援に要する税金(1800億円)の半分近い850億円を、事実上健保組合や公務員の共済組合に「肩代わり」させる内容でとの批判もあり7月にスタートすることになります。
また、保護者が保険料を滞納して「無保険」となった子どもの救済策として、短期保険証の交付対象を高校生世代(現行は中学生以下)にまで拡大することや市町村が運営する国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料を軽減する措置も盛り込まれました。
失業者を支援する「就職安定資金(PDF)」をだまし取る詐欺事件で、警察は大分市の会社役員の男ら5人を逮捕しました。
2009年に、容疑者らが共謀して家屋解体業の男ら2人が会社を解雇され住居を失ったように装い、大分市の金融機関から就職安定資金の融資名目で現金およそ290万円をだまし取った疑いが持たれています。
これまで、就職安定資金をだまし取る同様の事件が起きているといいます。すでに男11人が逮捕されていて、このうち8人が起訴されています。
警察では事件の関係先として、大分市の暴力団事務所など6ヶ所を家宅捜索し、裏付け捜査を進めることにしているとのことです。
厚生労働省は、動画サイトYoutubeにて「平成22年4月1日から雇用保険が適用拡大!! 」として、雇用保険の適用拡大や被保険者資格取得届の提出、雇用保険料率などについて説明する動画をアップしています。
下記アドレスで確認できます。
http://www.youtube.com/watch?v=SxV2smgr8qM
建設関連業で働く人が加入する「全国建設工事業国民健康保険組合」(本部・東京、組合員約8万7000人)の無資格加入などの問題で、同組合本部(東京都中央区)は30日、監督官庁の東京都に、内部調査の中間結果を報告しました。
報告によると、無資格加入が全国的に横行し、全支部(59支部)の約8割にあたる47支部で行われていたとのことです。
都は今後、厚生労働省と協議し、工事業国保に対し、国民健康保険法に基づく改善命令を出すことを検討します。
調査では、組合に加入する事業所5万743中、約95%の4万8118から回答を得、うち、実際には建設関係の職に就いていない無資格加入者がいた事業所は計1918ありました。
このほか、、厚生年金などの事業主負担を逃れようと、法人事業所が個人事業所と偽った「偽装加入」が疑われる事業所も1921あり、同本部は今後、加入の経緯が不透明な約9000について、再調査を行うとしています。
この組合には08年度で237億円の国庫補助が投入されています。