東京証券取引所が上場企業に対して導入を求めている「独立役員」について、2010年3月末時点で確保していなかった3月期決算企業(167社)について調べたところ、7月上旬までに5割弱の78社が確保していました。
独立役員は、親会社や主要取引先の役職員兼務者などは、原則としてなれず、社外取締役・社外監査役の中から一般株主と利害対立が生じる恐れのない人物を指名し、東証に届け出ることになっています。
6月の株主総会で社外役員を新たに選任・確保した企業が56社で、既存の役員から、本人の承諾を得るなどして不在を解消した企業も22社ありました。 株主総会で56社が選任した独立役員は合計63人で、このうち社外監査役は49人、社外取締役は14人でした。 内訳は弁護士が24人、公認会計士が15人、税理士が3人で、会社側が専門的な見地から経営の助言役を求めている様子がうかがえます。
今回、社外役員を確保できなかった会社は、11年6月の株主総会の翌日までに独立性の高い社外監査役か社外取締役を少なくとも1人は選び、届け出る必要があります。
厚生労働省は職業訓練中の失業者に生活費の一部を支給する「求職者支援制度」を来年度から恒久措置にするとともに、生活給付費を現行の基金事業より5000円多い月10万5000円とする方針です。
政府が昨年7月から実施している同様の制度の受講者は今年7月までで計10万4000人で、現在の基金事業は今年度末までの時限措置という位置づけです。厚労省は新しい求職者支援制度を来年度から恒久措置にする考えです。
職業訓練を通じて失業者に介護やITなどの専門知識を身につけてもらい、労働市場にスムーズに復帰できるようにし、また利用者を更に増やすことを狙いとします。
ただ制度は労働政策審議会が議論している最中で、詳細については未定。制度がどれだけ有効に機能しているのかといった検証もこれからということです。
現在の制度概要については、こちら(厚生労働省HP)をご覧下さい。
日本IBM(東京)がハードディスク部門を会社分割に伴い労働者を転籍させる際、どのような場合に無効となるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は12日、「企業が従業員側と協議を全く行わなかったり、協議の内容が著しく不十分だったりした場合には、転籍は無効となる」との初判断を示しました。
最終的に労働者の同意が得られなくても、会社側が十分な協議と説明をすれば転籍を有効とする内容です。
訴えていたのは、日本IBM(東京都中央区)の元社員6人。同社が2002年に旧商法(現会社法)の会社分割規定を使い、会社分割のうえ子会社を設立。社員を転籍させ、その後、子会社を日立製作所側に売却しました。元社員側が転籍無効やIBM従業員としての地位確認などを求めていました。
商法改正付則や労働契約承継法によると、会社分割の際は、会社側が転籍先の会社概要や業務内容について労働者と協議することが義務づけられています。
第二小法廷は、示した基準に基づいて今回の事例を検討。IBM側が社員の代表者との協議で会社分割の目的や背景を説明し、転籍に納得しない社員に対しても最低3回の協議をしていたことなどを評価。千葉勝美裁判長は、請求を棄却した1、2審判決を支持、元従業員側の上告を棄却しました。これで、元社員らの敗訴が確定した形です。
一審・横浜地裁は07年5月、元社員らの請求を棄却。08年6月の二審・東京高裁判決もこの判断を支持していました。
東京商工リサーチが8日発表した2010年上半期(1〜6月)の全国企業倒産状況によりますと、倒産件数は前年同期比16.8%減の6790件で5年ぶりの減少となりました。
全国9地区すべてで減少し、全国的に倒産が落ち着きつつある状況です。景気対応緊急保証制度や、返済猶予を促す中小企業金融円滑化法などの景気対策が一定の効果を上げています。
大企業を中心に企業業績は回復しつつあり、資本金1億円以上の倒産件数は40.1%減と上半期としては4年ぶりに減っています。
負債10億円以上の倒産は284件で、20年ぶりに300件を下回りました。
前年同期は18件あった上場企業の倒産も、日航や半導体製造装置のエフオーアイなど4件にとどまっています。
負債総額は9.5%減の4兆2381億円でした。
1月に会社更生法の適用を申請した日本航空と関連2社の負債が合計2兆3221億円に上ったため、倒産件数に比べ負債総額の減少幅が小さいものとなりました。
倒産の原因別では販売不振などの「不況型」が11.2%減の5632件で、原因の82.9%を占め、上半期としては過去最高の構成比率となっており、産業別では全10産業のうち建設業や製造業など8産業で減少しています。
新たな年金制度について、政府は先月、すべての国民が同じ一つの年金制度に加入することや、高齢期の生活設計が立てられるよう、最低限の年金額を保障することなど、7項目の基本原則を決めましたが、これについて長妻厚生労働大臣は「大きな制度改革になるので、国民の理解を得ていくことが不可欠だ」として、募集した一般の人たちから意見を聞く場を設けることになりました。
意見交換会は、今月24日に厚生労働省で開かれ、グループに分かれて長妻大臣や厚生労働省の局長らと、どのような年金制度が望ましいかや、窓口業務を行っている年金事務所の改善すべき点などについて意見を交わすことにしています。
参加の申し込みは今月11日まで受け付けているということです。
参考)厚生労働省HP
「長妻大臣と語る『みんなの年金』意見交換会」を開催します
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000aivx.html