厚生労働省は、8月5日、平成21年雇用動向調査結果の概況を発表しました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/09-2/index.html
概要は次のとおりです。
1入職と離職の推移
(1)平成21年の常用労働者の推移
平成21年1年間の入職者数は、684万人(年初の常用労働者数に対する割合15.5%)、離職者数は、724万人(同16.4%)。
この結果、常用労働者数は、事業所の新設や閉鎖等の影響を除き、40万人(同0.9%)の減少となっている。
一般・パート別では、一般労働者は、入職者381万人(同11.5%)、離職者427万人(同12.9%)で差引46万人(同1.4%)の減少。
パートタイム労働者は、入職者303万人(同27.2%)、離職者297万人(同26.7%)で差引6万人(同0.5%)の増加。
(2)入職率と離職率の推移 … 離職率の上昇が大
(3)職歴別入職率の推移 … 転職入職率、未就業入職率ともに上昇
(4)離職理由別離職率の推移 … 「契約期間の満了」と「経営上の都合」が上昇
2 産業、職業別の状況
(1)産業別入職率・離職率 … 入職率、離職率は宿泊業,飲食サービス業が最も高い
(2)職業別入職率・離職率の状況 … 入職率、離職率はサービス職業従事者で最も高い
3 年齢階級別の入職と離職
(1)年齢階級別入職率・離職率 … 若年者と高年齢者で高い
(2)入職者に占めるパートタイム労働者の割合 … 女の30〜34歳以降で50%超
(3)離職理由別離職者 … 40〜59歳で「経営上の都合」が高い
(4)結婚、出産・育児の理由による離職率(女) … 結婚、出産・育児は25〜29歳が最も高い
(5)介護の理由による離職率 … 女で55〜59歳が高い
(6)高年齢者の離職率 … いずれの年齢階級でも上昇し、特に65歳以上で大きく上昇
4 転職入職者の状況
(1)年齢階級別転職入職率 … 若年者と60〜64歳で高い
(2)転職入職者の一般・パート間の移動 … パートから一般が7.7%、一般からパートが12.1%
(3)転職入職者が前職を辞めた理由 … 男女とも「定年、契約期間の満了」、「会社都合」が多い
(4)転職入職者の賃金変動状況 … 「増加」した割合が7.5ポイント低下
厚生労働省は3日、2010年度「労働経済の分析(労働経済白書)」を公表しました。白書では、企業のコスト抑制志向と労働者派遣制度を巡る規制緩和などで、企業が非正規社員の割合を増やしたため、年収200万円台以下の低所得層が拡大し、所得格差が拡大していると分析しています。
そのうえで、所得の引き上げや安定した雇用環境を整えるには、非正規社員を正規社員に転換するのが重要だと提言し、社会の発展には雇用安定や人材育成が不可欠と結論づけました。
1997年と2007年の年収分布を比較すると、年収100万円前後から300万円前後の非正規労働者が増え、全労働者における年収200万円台以下の層の割合も増えたことを指摘。
その一方で、企業が長期安定雇用を再評価し始めていることにも言及しました。労働政策研究・研修機構が1月、国内の3025社に採用方針について聞いたところ、これまでは「即戦力となる人材を採用する」が多かったのが、今後は「将来成長が期待できる人材を採用する」企業が多いことを挙げ、入社後の人材育成を重視する方向に転換しているとしました。
また雇用動向では、国が企業の人件費の一部を補助する「雇用調整助成金」など、雇用維持への取り組みが経済を下支えしたと評価しました。一方、雇用削減を避けるため「賃金調整が特に大きくなった」とも分析。雇用の拡大には医療や福祉、環境などの新産業を育成するとともに、既存の製造技術をじっくり育てることも重要だと提言しています。
一人親家庭の家計を支援するための「児童扶養手当」
これまでは母子家庭を対象に支給されていました。
平成22年8月1日から
非正規労働者の増加など、父子家庭にとって厳しい状況が続いていることを踏まえ、
父子家庭にも支給されることになりました。
これで新たに約10万世帯が対象に加わることになります。
父子家庭では「生計同一」が要件となります。生計同一を証明する書類を提出することが必要です。
詳しくは、こちら(政府広報オンライン)をご覧下さい。
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イギリス政府は29日、現行では民間企業の定年を65歳以上としていますが、公的年金の受給開始年齢の引き上げに備え、高齢者の雇用を促進するために、定年制を2011年10月に廃止すると発表しました。
これに対して、産業界は「性急な決定で、企業側に多くの問題が残る」(英産業連盟=CBI)と反発しています。
イギリスの法律では「企業が年齢を理由に従業員を退職させることのできる定年」を65歳以上と規定いるため、多くの企業は定年を65歳としています。
これからは年齢を理由に退職させることが認められなくなり、来年10月以降に65歳となる人は、希望すれば期限を設けずに働き続けることができます。
現在は男性の公的年金の受給開始年齢は「65歳」となっていますが、段階的に引き上げることになっており、その第1段階である66歳への引き上げを現行計画(男性は2024年から)より前倒しすることを検討しています。
定年制の廃止は年金の受給年齢引き上げの波紋を和らげる目的もあるとみられています。
イギリスに進出している日本企業も影響は避けられない見通しです。
厚生労働省は27日、事業主が従業員の給料から天引きしたにもかかわらず、実際には国に納めていなかった厚生年金保険料が、2007年6月から今年3月末までに計2万3359件見つかったと発表しました。未納保険料の総額は約15億4900万円だということです。事業主側に支払いを求めていますが、約4億5900万円が未払いのままです。厚労省は納付に半年間応じない場合は、企業名などを公表することにしています。
厚労省は同時に、事業主の死亡などで保険料の支払いが難しい13件、計約875万円の保険料を初めて国が肩代わりしたことを発表しました。厚生年金の記録が消えた被害者を救う特例法に基づく措置です。