労働保険(雇用保険・労災保険)の成立手続き
労働者を1人でも雇用すれば、一部の事業(5人未満の個人事業の農林水産業等)を除き、ほとんどの会社・事業所が、労働保険(雇用保険・労災保険)に入る義務があります。=強制適用事業
5人未満の個人事業の農林水産業等(暫定任意適用事業)であっても、従業員の多数が希望する場合は、労働保険に入る義務があります。
とりわけ、労災保険に入らない場合、業務上、労働災害が発生して、従業員が負傷・死亡してしまった場合、多額の負担が事業主に求められることになります。労働基準法によれば、例えば、労働者が業務上の事故で死亡した場合には、会社は遺族に、平均賃金の1000日分の補償をしなければなりません。また、労働者に身体障害が残った場合でも、本人に対し、障害程度に応じた補償をする義務が生じます。この、万一の場合に備えるための保険が労災保険です。したがって、労災保険への加入は、人を雇い入れる場合の最低限の義務ともいえます。
また、雇用保険は「失業保険」とも言われることも多いように、失業の予防や雇用状態の是正等の役割を果たしているものであり、人を雇い入れる場合にはほとんどの会社で加入義務があり、加入していない場合には、「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられることもあります。
労働保険(雇用保険・労災保険)の成立手続きの進め方
一元適用事業(農林水産業・建設業等以外のほとんどの事業)
労災保険・雇用保険の保険料の申告・納付等の手続きを同時に行います。
手続きの名前 | 期限 | 窓口 | |
1 | 保険関係成立届 | 保険関係が成立した日(1人でも従業員を雇い入れることとなった日)から10日以内 | 事業所を管轄する労働基準監督署 |
2 | 概算保険料申告書 | 保険関係が成立した日(1人でも従業員を雇い入れることとなった日)から50日以内 | 事業所を管轄する労働基準監督署または都道府県労働局または銀行・郵便局・信用金庫等 |
3 | 雇用保険適用事業所設置届 | 設置の日から10日以内 | 事業所を管轄する公共職業安定所 |
4 | 雇用保険被保険者資格取得届 | 資格取得の事実があった日の翌月10日まで | 事業所を管轄する公共職業安定所 |
1の手続きを行った後または同時に2の手続きを行います。
3・4の手続きは1の手続きを行った後に行います。
二元適用事業(農林水産業・建設業等の事業)
労災保険・雇用保険の申告・納付等の手続きを別々に行います。
労災保険の手続き | |||
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手続きの名前 | 期限 | 窓口 | |
1 | 保険関係成立届 | 保険関係が成立した日(1人でも従業員を雇い入れることとなった日)から10日以内 | 事業所を管轄する労働基準監督署 |
2 | 概算保険料申告書 | 保険関係が成立した日(1人でも従業員を雇い入れることとなった日)から50日以内 | 事業所を管轄する労働基準監督署または都道府県労働局または銀行・郵便局・信用金庫等 |
1の手続きを行った後または同時に2の手続きを行います。
雇用保険の手続き | |||
---|---|---|---|
手続きの名前 | 期限 | 窓口 | |
1 | 保険関係成立届 | 保険関係が成立した日(1人でも従業員を雇い入れることとなった日)から10日以内 | 事業所を管轄する公共職業安定所 |
2 | 概算保険料申告書 | 保険関係が成立した日(1人でも従業員を雇い入れることとなった日)から50日以内 | 事業所を管轄する都道府県労働局または銀行・郵便局・信用金庫等 |
3 | 雇用保険適用事業所設置届 | 設置の日から10日以内 | 事業所を管轄する公共職業安定所 |
4 | 雇用保険被保険者資格取得届 | 資格取得の事実があった日の翌月10日まで | 事業所を管轄する公共職業安定所 |
1の手続きを行った後または同時に2〜4の手続きを行います。
労働保険(雇用保険・労災保険)の成立手続きを行わないと・・・?
行政庁から成立手続きを行うように指導を受けますが、それでも、成立手続きを行わない事業主に対しては、行政庁の職権により成立手続きが行われ、労働保険料の認定決定が行われます。その際には、さかのぼって労働保険料の徴収が行われるほか、追徴金が徴収されます。
また、事業主が故意に成立手続きを行わない期間中に労働災害が発生し、労災給付が行われた場合には、事業主から追徴金に加え、さかのぼって労働保険料が徴収されるほか、労働保険給付に要した比ゆの全部または一部を徴収されます。
つまり、成立手続きを行わない際には、膨大な負担が事業主に課せられることがあるということです。労働保険を納付しないことが、会社の存亡にかかわる重大な事態につながりかねません。
労働保険の成立手続き、申告・納付は会社にとって欠かすことはできません。
労働保険(雇用保険・労災保険)の保険料は・・・?
労災保険の保険料は、全額事業主が負担することになっています。
雇用保険の保険料は、事業主と従業員がそれぞれ所定の割合で負担することになっています。
- 労災保険の保険料率は、事業の種類によって0.25%から7.9%の間で細かく定められています。従業員に支払う賃金総額に保険料率を掛けたものが、保険料になります。
- 雇用保険の保険料率は、現在、以下の表とおりです。事業主の負担は、賃金総額に事業主負担率を掛け合わせたものとなります。
雇用保険の保険料率(2016.4.1〜) | |||
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事業の内容 |
保険料率(A+B) |
事業主負担率(A) | 被保険者負担率(B) |
一般の事業 | 11/1000 | 7/1000 | 4/1000 |
農林水産・清酒製造の事業 | 13/1000 | 8/1000 | 5/1000 |
土木、建築その他工作物の建築、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体またはその他準備の事業 | 14/1000 | 9/1000 | 5/1000 |
労働保険の納付は、労災保険と雇用保険の保険料の合計となります。
沖縄労務管理センターでは、労働保険(雇用保険・労災保険)の成立手続きの代行を行っております。
労働保険の成立手続きの代行料金 | |
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人数 | 料金 |
1〜4名 | 70,000円 |
5〜9名 | 90,000円 |
10〜19名 | 110,000円 |
20名以上 | 1名ごとに1000円加算 |
顧問契約と同時にお申し込みいただいた際には、割安の料金(10,000円引き)で代行させていただきます。
顧問契約も合わせて、ご検討ください。
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