基礎年金の国庫負担割合を現行の3分の1強から2分の1に引き上げる国民年金法改正案が2日、参議院の厚生労働委員会で実質審議入りしました。参議院で過半数を握る野党は徹底審議を求めていますが、今国会会期の7月28日までの延長が1日に固まったことで、国民年金法等改正案は、今国会で成立する見通しとなりました。
2010年度までの2年間は国庫負担割合の引き上げに必要な財源を財政投融資特別会計の「埋蔵金」でまかない、11年度以降は税制の抜本改革で対応するというのが、この改正案の柱です。16日で衆院通過から60日となり、与党による衆院再可決が可能となっています。
年金問題に関しては、もっと根本的な検討が必要になってきているとも思われるところです。
厚生労働省が1日に発表した4月の毎月勤労統計調査(速報)によると、製造業の残業時間などの所定外労働時間(1人平均)は、前年同月比45.3%減の9.1時間で、13か月連続の減少となりました。
ただ、下げ幅は過去最大だった前月(48.9%減)と比べて11か月ぶりに縮小しました。製造業の残業時間は景気と一致して動く傾向があります。景気が上向いて生産が増えると企業は残業増などで対応するため、生産活動の急速な悪化に若干歯止めがかかった格好です。\
製造業を含む全産業では、所定外労働時間が同19.7%減の9・2時間で9か月連続マイナス、労働者の平均賃金を示す現金給与総額も同2.5%減の27万2453円で11か月連続減でしたが、いずれも急激な下落傾向は一段落しました。
常用労働者は0.4%増の4,409万8,000人。このうち正社員などの一般労働者は0.7%減の3,227万5,000人で2か月連続の減少。パートタイム労働者は3.4%増の1,182万3,000人でした。
調査は全国の従業員5人以上の事業所約3万3,000か所を対象に実施されました。
一度に3人以上が死傷した重大な労働災害の2008年の発生件数が281件だったことが26日、厚生労働省のまとめで分かりました。前年より12件(4.1%)減りましたが、過去最少だった1985年の約2倍で、過去10年間では3番目の高水準となっています。同省は「非正規労働が広がる中で、安全管理や教育が不十分になっている恐れもあり、事業主に法令順守や対策徹底を指導したい」としています。
業種別で最も多いのは建設業の93件で製造業の58件が続き、内容別では、交通事故が125件で最多となり、中毒・薬傷69件、火災・高熱物が16件の順です。重大労災での死傷者は前年比28%減の1678人(うち死亡は60人)でした。
詳しくは厚生労働省のHPでご確認下さい。
厚生労働省は29日、昨年10月から今年6月までに失職する非正社員は、21万6,408人にのぼる見込みだと発表しました。全国のハローワークなどを通じて把握できた人数を集計したもので、派遣が13万5,065人と6割あまりを占めています。
失職時期は、昨年12月が約49,000人で最も多く、3月が46,000人、5月は4,000人、6月は2,000人と最近では減少傾向にあります。
また、正社員の失職については、1カ月間で30人以上が離職するとして、4月中に届け出があった事業所の集計によると1万5,614人でした。
国が休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」については、4月に利用を申請したのは6万1,349事業所で、対象者数は3月より約15万6千人多い253万4,853人でした。このうち中小企業で働く人が7割を占めています。
総務省が29日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は5.0%となり、、4.8%だった3月より0.2ポイント上昇し、2003年11月以来、約5年半ぶりに5%台となりました。(男性5.3%。女性4.6%)
完全失業者数は前年同月より71万人多い346万人となり、6ヶ月連続で増加しています。このうち、倒産やリストラなど会社の都合で離職した人が114万人、自己都合で失業した人は103万人でした。就業者数は6322万人となり、前年同月と比較して107万人減少しています。
また、厚生労働省が同日朝発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.06ポイント低下し0.46倍となり、過去最低だった1999年5、6月の水準に並びました。
沖縄県内は、7.6%と、先月よりも0.6%改善を見せていますが、有効求人倍率は0.27倍と、依然として厳しい状況であることを示しています。