○雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成21年厚生労働省令第121号)
(☆概要のみ紹介)
(1) 雇用保険法施行規則の一部改正
1 雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金制度の改正
雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金について、次のような改正を行った。
? 1年間の支給限度日数(200日)を撤廃した。…3年間の支給限度日数(300日)は現行どおり。
? 障害がある者の休業等及び出向について、助成率を引き上げた。
・雇用調整助成金……「3分の2」から「4分の3」へ引き上げ
・中小企業緊急雇用安定助成金……「5分の4」から「10分の9」へ引き上げ
2 試行雇用奨励金制度の暫定措置
試行雇用奨励金について、平成24年3月31日までの間、「実習型試行雇用奨励金」を支給することとした。
・実習型試行雇用奨励金……十分な技能及び経験を有しない一定の求職者を、公共職業安定所の紹介により、実習型雇用として、6箇月以内の期間を定めて雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して、1人1月当たり4万円を、最大3箇月支給するもの。
3 育児・介護雇用安定等助成金制度の改正
育児・介護雇用安定等助成金のうち、一定の要件に該当する短時間勤務の制度を設けて利用実績があった場合に行う中小企業の事業主等に対する助成を拡充し、新たに、次の事業主を助成の対象とした。
? その雇用する3歳に達するまでの子を養育する労働者を対象とする短時間勤務の制度を実施する一定の中小企業の事業主
? その雇用する3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者を対象とする短時間勤務の制度を実施する一定の中小企業の事業主以外の事業主
4 キャリア形成促進助成金制度の改正
平成24年3月31日までの間の訓練等支援給付金について、次のような改正を行った。
? 新たに雇い入れた被保険者等に認定実習併用職業訓練を受けさせる一定の中小企業の事業主に対する支給額を、当該訓練の運営に要した経費等について厚生労働大臣の定める方法により算定した額の4分の3の額から「5分の4」の額に引き上げた。
? 新たに雇い入れた被保険者等に有期実習型訓練を受けさせる一定の中小企業の事業主に対する支給額を、当該訓練の運営に要した経費等について厚生労働大臣の定める方法により算定した額の4分の3の額から「5分の4」の額に引き上げた。
? 新たに雇い入れた被保険者等に認定実習併用職業訓練又は有期実習型訓練を受けさせる一定の中小企業の事業主の事業所において認定実習併用職業訓練又は有期実習型訓練を受けた者が生じた事業主に対し、20万円を支給することとした。
(2)育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則の一部改正
上記1の3の助成(育児・介護雇用安定等助成金)について、期間を定めて雇用されている労働者も利用できる短時間勤務制度を設け、当該制度を利用した当該労働者が最初に生じた場合には、現行の支給額に20万円を加算することとした。
(3)短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部改正
事業主短時間労働者均衡待遇推進等助成金のうち、短時間正社員制度を整備した場合に支給されるものについて、「30万円(一定の中小企業の事業主にあっては、40万円)…当該制度を利用した労働者が最初に生じた場合に支給」のほかに、当該制度を利用した労働者が2番目から10番目までに生じた場合に、1人につき「10万円(一定の中小企業の事業主にあっては、15万円)」を支給することとした。
この省令は、公布の日(平成21年6月8日)から施行する
ただし、1の2の改正は、平成21年7月10日から施行する
ダイキン工業は10日、障がい者雇用の特例子会社のダイキンサンライズ摂津(大阪府摂津市)の新工場棟が完成したと発表しました。総事業費は約8億円。延床面積は915?から2862?に増床し、従来のおよそ3倍に拡大。事業内容の拡大や雇用増につなげる予定です。現在は68人の障がい者を社員として雇用していますが、2011年度中に100人に増員する計画にしています。
ダイキンサンライズ摂津はダイキン工業グループと大阪府、摂津市が出資する第三セクター方式の重度障がい者多数雇用事業所で社員の9割が障がい者です。油圧製品の加工や空調機器の組み立て、CAD(コンピューターによる設計)などを手掛けています。
ダイキンは、沖縄で、ダイキンオーキッドレディースというプロゴルフトーナメントを沖縄で開催している会社なので、なじみのある方も多いかもしれませんね。
与党と民主党は11日、衆院で審議中の育児・介護休業法改正案について、勧告に従わない企業名の公表制度などの一部の導入時期を前倒しにすることや、「育休切り」防止を狙い省令を改正することで合意しました。
また、休業期間を記した書面を企業が労働者に渡すことも省令で定めるよう政府に求めます。
書面明示については、これまで通り努力義務にとどまるが、申し出により期間を明記した書類が従業員の手元に残ることで、職場復帰時のトラブル防止に効果があるとして、民主党も折り合いました。
与野党は12日の衆院厚生労働委員会で採決し、可決。参院へ送付する見通しです。
東京の日産自動車本社で働く派遣社員の20代の女性2人が直接雇用を申し立てたのに対し、東京労働局が5月末、同社に是正指導していたことが分かりました。
具体的な指導内容について、労働局は明らかにしていませんが、日産側は「一部期間で契約に明示していない仕事をさせたことで指導を受けた。今後は適切な対応を取っていきたい」としています。
2人の加入する「首都圏青年ユニオン」などによると、2人は既に約4〜6年間、日産で勤務していました。登録派遣会社と日産が交わした就業条件明示書には「事務用機器操作」と記されていたが、実際には書類整理やお茶出しなど庶務業務の割合が多かった、と主張しています。
こうした庶務業務では労働者派遣法上、期間は「最長3年」に制限されているため、2人は4月、直接雇用を求め同労働局に申告していたということです。
2人は、勤務開始から5年8カ月たった今年5月末、契約期間満了で退職しています。
日産の広報は「行政指導を真摯(しんし)に受け止めている。今後は指導を受けることがないよう、適切に対応したい」としています。
過労など仕事上のストレスが原因で精神疾患になり08年度に労災認定を受けた人が、前年度より1人多い269人と3年連続で過去最悪を更新したことが8日、厚生労働省のまとめで分かりました。20、30代を中心に高い水準が続いており、半数以上を占めました。また、過労自殺(未遂含む)の労災認定は66人、過労による脳・心疾患は377人(うち死亡313人)で前年度からそれぞれ15人減りましたが、高水準で推移しています。沖縄県内でも、11件の申請があり、2件の認定があったようです。
厚労省によると、精神疾患の申請は927人(前年度比25人減)。08年度に労災かどうか決定した862人(前年度以前の申請を含む)のうち労災支給決定(労災認定)は269人。認定率は31・2%(前年度比1・8ポイント減)でした。
年代別では、精神障害の労災認定数は30代が74人と最も多く、20代(70人)、40代(69人)の順で働き盛り世代の認定が目立ちました。また、脳・心疾患は50代が最多で142人でした。特に20代は申請、認定とも前年度を上回り、若年層がストレスにさらされている実態が浮かびました。業種別では製造業、卸売・小売業、医療・福祉などが多くなっています。
一方、過労による脳出血や心筋梗塞(こうそく)などの労災申請数は889人(前年度比42人減)で2年連続で減少しましたが、認定された人の残業時間は、月80〜100時間未満が最多の131人、次いで100〜120時間未満が103人、120〜140時間未満が49人でした。100時間以上が前年度より増加しており、長時間労働が是正されていない実態が分かりました。
厚労省職業病認定対策室は「過労死などの数は全体として減少傾向にあるが、経済情勢の悪化で職場環境は厳しい状況が続いている」と分析し、「過労自殺、過労死は高止まりの状態が続いており、企業などへの指導を徹底したい」としています。