社会保険庁は6日、同庁を解体し来年1月に発足する日本年金機構の准職員(有期雇用職員)について、750人程度募集すると発表しました。応募資格は高校卒業以上で民間企業などで勤務経験のある人。雇用期間は原則1年で、最長7年まで更新されます。機構本部のほか、社会保険事務所から衣替えする「年金事務所」の職員として、年金の運用、徴収、記録管理などを行い、転勤はないとのことです。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
厚生労働省は4日、サラリーマン世帯の専業主婦が、一時的な会社勤めで厚生年金の被保険者となっていた記録が見つかったことにより、過去に受け取った年金を返納させられるケースについて、返納を求めない方針を固めました。また、すでに返納した人には戻すことも検討しています。
年金受給者が、過去の未加入期間が見つかった場合、「特例届け出」をすれば未加入期間を解消できますが、年金額に反映されるのは特例届け出以降で、社会保険庁から、それまで受け取った年金の返納を求められる場合がありました。
ただ、特例届け出の仕組みを導入した当時は、このような事例は想定しておらず、専業主婦の無年金や低年金を防ぐことが特例届け出の趣旨であることも踏まえ、運用を見直すことにしたものです。
公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が1日発表した2008年度の市場運用利回りはマイナス10.03%でした。運用損失は過去最悪の9兆6670億円で、金融・経済危機による世界的な株安が響いた影響があり過去2年の累積赤字は15兆円強と、市場運用を始めた01年度以降の累積収益に相当する規模に膨らみました。
GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を運用しています。3月末の運用資産総額は約117兆円で、このうち市場運用分が約92兆円を占めます。資産構成割合は国内債券が67%、国内株式が12%、外国債券が11%、外国株式が10%となっています。
75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(後期医療)について、国民健康保険中央会は2日、2008年度の医療費を発表しました。 08年4月に始まった同制度の年間の統計がまとまるのは、これが初めてです。
総額は11兆2935億円(速報値)で、加入者1323万人の1人当たり医療費は85万3391円でした。制度が違うため単純比較はできませんが、前年度比で1.6%減でした。
都道府県別にみると、1人当たりの医療費が最も高かったのは福岡県の108万1244円だったのに対し、最も低いのは新潟県の70万2778円で、1・54倍の開きがありました。
福岡のほか、北海道が約103万円、高知県も102万円と1人当たり医療費が100万円を超えていました。いずれも療養病床が多く、1人当たりの入院医療費が高かったためとみられます。
社会保険庁は10月から業務の民間委託範囲を拡大し、今後は免除申請手続きを促す業務を加えるとしました。
これまでは民間委託範囲を、国民年金保険料滞納者への納付監督業務に限定していましたが、08年度の国民年金保険料の納付率が前年度(63.9%)を下回り、過去最低を更新したことから、収納対策の強化により、制度の空洞化に歯止めをかけるのが狙いです。
社会保険庁はこれまでは滞納者への電話や、戸別訪問による納付促進をコールセンター運営会社など民間企業に委託していました。その納付督励によって納付できない状況にあると判明した場合、民間企業はその情報を社会保険庁に伝えるだけしか出来ませんでしたが、9月に実施する新たな民間競争入札で、民間企業が納付促進だけでなく、免除申請の勧奨もできるようにします。
民間業務委託の導入地域も拡大し、現在の185ヶ所に127ヶ所を加え、全国312ヶ所の社会保険事務所を網羅することになります。
社会保険庁が収納対策を急ぐのは、公的年金制度を維持前提となる納付率80%の実現が課題となっているためで、免除を増やせば納付率算定式の分母を減らせて、「納付率」を上げることができるからであるようです。