厚生労働省が20日、08年の高年齢者雇用実態調査を発表しました。
全国の民間事業所のうち60歳以上の高齢者を雇っている企業の割合は59.4%となり、04年の前回調査より8.9ポイント上昇しました。
人口に占める高齢者の割合が高まっている社会全体の高齢化に加え、改正高年齢者雇用安定法で60歳定年後、65歳までの雇用延長などを義務付ける雇用確保が06年に施行されたことが背景にあると思われます。
この調査では従業員5人以上の6,465事業所から回答を得ました。
常用雇用の全労働者に占める高齢者の割合は10.0%で、同2.4ポイント上昇し、高齢者のために仕事量の調整など特別な措置を取っている割合も同16ポイント増えて46.1%となりました。再雇用された場合の賃金は「定年時の6〜7割程度」が最も多く34.8%となりました。
年齢層別の雇用状況を見ると、60〜64歳を雇用する事業所の比率は前回に比べ8.9ポイント増の50.2%、65〜69歳は4.4ポイント増の26.9%、70歳以上は2.5ポイント増の15.6%となりました。
産業別では、60歳以上を雇用する事業所の割合が最も高いのは製造業で81.1%、建設業の71.1%、運輸業の69.6%と続きました。
この数字は、あくまで、従業員5人以上の事業所が対象となっていますので、全体としては、もっと割合が高いという可能性も考えられます。
東京商工リサーチのまとめによると、今年1〜7月の労働者派遣業者の倒産件数は前年同期比56.6%増の47件だったということです。今後もこのペースで増加すると、今年は過去最多だった昨年の56件を上回る可能性が高いとみられ、更新すれば4年連続となります。派遣業者には資本力の弱い会社が多いため、製造業を中心とした「派遣切り」が急増した結果、派遣労働市場の縮小に伴う業界の淘汰が加速しているようです。
7月時点での派遣業者の負債総額は、前年同期比72.8%増の50億2200万円。負債10億円以上の大型倒産の発生が1件もなかったのに対して、1億円未満の倒産が同54.5%増の34件と全体の72%を占めたことが特徴です。
75歳以上が入る後期高齢者医療制度の2009年度の保険料は、全国平均で約62,000千円と前年度より3,000円下がったと、厚生労働省が18日発表しました。都道府県別では、最も高いのが神奈川の85,890円、最低は秋田の37,108円で、2.3倍の差がありました。
後期医療の財源は、加入者の保険料や税金、現役世代の負担金。保険料は都道府県ごとに設定されます。
厚労省によると、2009年度の全国平均額が前年度を下回ったのは、加入者の所得が下がったことや、低所得者に対する保険料の軽減率が引き上げられたことなどが影響しているということです。
同時に発表された2008年度の保険料収納率は98.75%と高水準でした。
厚生労働省が18日にまとめた2008年度の雇用均等基本調査の結果、女性の育児休業取得率が初めて9割を超えました。一方、男性の取得率は前年度を下回って1%台の低水準で推移しています。
調査は5人以上の従業員がいる民間事業所から約1万事業所を抽出し、育児休業取得率など子育てや介護、労働に関する2008年10月の状況を聞き、7324事業所(回答率72・8%)から回答を得たものです。
育児休業の取得率は女性が90・6%(前年度比0・9ポイント増)、男性が1・23%(同0・33ポイント減)。女性の取得率は96年の49・1%から伸び続けていますが、男性は同年の0・12%から上下しながら低水準が続いています。
育児休業や介護休業が就業規則などに規定されているかについては、育児休業で66・4%(05年度調査比4・8ポイント増)、介護休業で61・7%(同6・1ポイント増)、子の看護休暇で46・2%(同12・4ポイント増)といずれも増加。制度の利用者には休業取得で不利益を受けないかなどの不安が大きいが、取得後の労働条件を「書面で交付」としたのは45・0%にとどまり、「口頭で伝達」(30・0%)「明示しない」(24・0%)の合計が半数を超えました。
個人の職歴や資格などを記入して就職活動に役立てる「ジョブ・カード」を取得した人が6月末で累計10万人を超えました。雇用情勢が悪化する中で、カードを使って就職を目指す人が増えていることを裏付けており、今年3月末の取得者数は累計で約65,000人であったのが、4月から6月の3か月間で急増しました。
ジョブ・カードの仕組みは08年度から始まった制度で、主に正社員の経験が少ない人の技能や職業能力を企業が評価しやすいように、一定の書式に沿って職歴などを記す書類で、求職者が記入した後、ハローワークなどで専門家の助言を加えて交付されます。
カードを交付する就職相談の専門家は、国の講習を受ける必要があるが、この専門家の人数も7月末時点で約8,500人に達しました。専門家は、今年3月末には約7,000人でしたが、4か月で約1,500人増えたことになります。