厚生労働省は3日、2008年の人口動態統計の確定値を発表しました。出生数は109万1156人と07年に比べ1338人増え、2年ぶりの増加になりました。
ただ死亡数が3万4073人増えたため、人口の自然増減数は5万1251人のマイナスでした。1人の女性が生涯に生むとされる子どもの数を示す合計特殊出生率は速報値と変わらず1.37で、3年連続で上昇しました。
企業年金連合会は1日、厚生年金基金の未払いが、今年3月末時点で143万人分、累積で1588億円に上ると発表しました。このうち98万人は住所が分からず、受給手続きのための書類が送れなかったということです。
会社の倒産などで厚生年金基金が解散した時や、短期間働いて転職した時などに、連合会が年金資産を引き取って運用し、受給年齢に達してから支給するシステムになっていますが、受給するには本人による請求が必要です。しかしその書類が本人の手元に届かず未払いにつながるケースがあります。
中途退職者の未払い年金の平均額は1万8千円。勤続1カ月以上から受給できるため1万円未満が約89万人で65.5%を占めますが、20万円以上の人も約1万2千人います。
連合会は社会保険庁の厚生年金の加入者リストと照合して住所を調べるなど解消を進めています。
厚生労働省は1日、2009年度の地域別最低賃金額の改正状況をまとめました。全国平均額は713円と過去最高を更新し、平均の引き上げ額は10円になりました。しかし、民主党の目指す「全国平均で時給1000円の最低賃金」とはまだ隔たりがあります。今後、低所得者への配慮と中小零細企業の経営との折り合いをどう付けていくのかが課題となりそうです。
最低賃金は2007年度に平均14円、2008年度は16円引き上げられており、3年連続で大幅な引き上げとなりました。新しい賃金は9月末〜10月に都道府県ごとに適用される予定です。
厚労省のまとめによりますと、時給換算の最低賃金が生活保護費の給付水準を下回り、中央審議会が引き上げの目安を示した12都道府県では、3〜25円の引き上げが示されました。一方で、最高額(東京)と最低額(佐賀、長崎、宮崎、沖縄)の差は、前年度の139円から162円に広がりました。
沖縄の最低賃金は、現在627円であり、10月18日より発効予定の最低賃金は、2円増の629円となっています。
厚生労働省は企業が従業員に支払う休業手当の一部を国が補てんする雇用調整助成金の支給事務を迅速にする方針です。現在は企業が申請してから実際に支給されるまで2カ月以上かかる場合もあるため、都道府県の間でばらつきのある審査事務を作業効率の優れた方法にそろえることなどによって処理時間を短縮し、早期の支給を目指します。
まず申請件数が多い都道府県の労働局をモデルに選定し、10月以降に実施。申請から支給までの期間を短くするための具体的な手法は、今後さらに詰める方針です。雇調金を活用する企業は原則として1カ月ごとに申請する必要があり、これまでにも手続きを迅速に進めるよう求める声が出ていました。
また、今後、民主党政権となり、雇用に関しては、助成金をはじめ、どのような政策が打ち出されるか、注目が集まるところであります。
厚生労働省が28日に発表した調査結果によると、派遣切りなどで昨年10月以降に職を失ったか、または今年9月までに職を失う非正規労働者は合計23万2448人で、前回の7月調査に比べて1・4%増加し、増加率は前回調査(2・7%増)より鈍化したことがわかりました。
調査は8月18日時点で把握できたデータをまとめたもので、正社員の失職は原則、一つの事業所で100人以上が職を失う場合だけを集計しました。
雇用形態別でみると、派遣社員が14万86人で全体の約6割を占め、契約社員は5万2353人、請負社員は1万8045人でした。
月別の失職者数は7月が約3300人で、8月は約1700人となり、9月の約1200人と減少傾向が続きました。
都道府県別でみると、最も多いのが愛知県で3万9244人、次いで長野県が1万157人、静岡県が9491人となりました。昨年10月から今年9月までに失職する正社員は4万3366人となりました。