明治安田生命保険の営業所で保険外交員として勤務していた女性4人が「所長のパワーハラスメントが原因で休職や退職に追い込まれた」などとして、同社と所長に慰謝料など計2750万円を求める訴訟を16日、大阪地裁に起こしました。
訴状によると、4人は同社の今里営業所(大阪市東成区)に勤務しており2006年4月に赴任した男性所長が、朝礼で「おまえは嫌いなんだ」などと怒鳴ったり、ミスをした社員から1000円を徴収し、自分の財布に入れたりしたとのことです。
07年3月に原告の1人が同社のコンプライアンス部に連絡しましたが、会社は対策を取らなかったとのことで、その後、適応障害と診断され、休職。08年11月に労災認定されました。ほかの3人はすでに退職しているとのことです。
4人は「所長の行為は指導の範囲を逸脱している。会社も適切な対応をしないなど安全配慮義務に違反していた」と主張しています。
社会保険庁は15日、記載内容に誤りがある年金の支払通知書約9,000通を送付していたと発表しました。委託業者の印刷ミスが原因で、社保庁は同日までに謝罪の手紙と正しい内容の書類を郵送しました。
誤りがあったのは、年金受給者の死亡後、振込口座が解約されるなどして受け取れなかった年金を遺族に支給する「未支給年金」の通知書。「振込通知書」とすべきだったのに「送金通知書」と印字し、7日に発送しました。受給する遺族からの問い合わせで判明しましたが、入金に問題はなかったといいます。
松下電器産業(現パナソニック)の子会社「松下プラズマディスプレイ(現パナソニックプラズマディスプレイ)」の工場で請負社員として働いていた男性が、偽装請負を内部告発した後に解雇されたのは違法として、直接雇用や慰謝料などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷は14日、男性側と同社側双方の主張を聞く弁論期日を11月27日に指定しました。
最高裁では二審の結論を変更する際に弁論を開くのが通例。「同社と男性の間で黙示の労働契約が成立していた」として雇用義務を認めたうえで、男性の主張をほぼ全面的に認めた二審・大阪高裁判決が見直される可能性が出てきました。
2審判決などによると、男性は同社工場で、業務請負会社の社員として平成16年1月から勤務。17年に偽装請負を大阪労働局に申告、労働局は是正指導しました。同社は男性を有期で直接雇用しましたが、必要性の低い作業を命じられるなどし、18年1月に雇用を打ち切られました。
厚生労働省は11日、来春卒業予定の高校生の求人・求職状況を発表しました。これによると7月末の求人数は約13万5千人で、前年同期比48.8%減と半分近くに落ち込み、1985年卒の調査開始以降、最大の減少幅となりました。求人倍率は前年の1.31倍から0.71倍に下落し、4年ぶりに1倍を切っています。雇用情勢の悪化で、新卒者の就職環境は厳しさを増しており、関係者からは就職氷河期の再来を懸念する声も上がっています。
厚労省は「昨秋以降の世界同時不況の影響で、企業に採用を手控える動きがある」(若年者雇用対策室)とコメント、特に製造業や卸売り・小売業での求人数の減少が目立っています。
就職を希望する生徒数は、大学などへの進学が増えたことから19万1千人で、前年より5.5%減ったものの、 就職を希望する生徒1人に対し、何件の求人があるかを示す求人倍率は、すべての都道府県で前年を下回りました。東京の2.62倍が最も高く、1倍を超えたのは愛知(1.35倍)、大阪(1.46倍)、香川(1.04倍)のわずか4都府県にとどまりました。最も低かったのは、沖縄の0.11倍で、地域間での格差が目立っています。
日本高等学校教職員組合の佐古田博・教文部長は「就職試験を受けることすらできない就職氷河期の再来ともいうべき事態だ。政府や企業、自治体に高校生の就職を保障する努力を求めたい」と話しています。
高校生の就職活動は16日から解禁されますが、例年、年度末までに求人数が増える傾向にあるといいます。厚労省はハローワークなどを通じた積極的な求人の開拓などで、支援を強化していくとしています。
民間調査機関の労務行政研究所が9日公表した企業へのアンケートによりますと、新型インフルエンザに感染した従業員を自宅待機にした場合の賃金について、「通常通り支払う(欠勤しても控除しない)」とする企業は約3割という結果が出ました。
一方、家族の感染で自宅待機を命じた場合を聞いたところ、「通常通り支払う」が43.5%、「支払わない」が16.7%と賃金を支払うケースが多く、また、同居家族の感染が確認された従業員を出社させるかどうかについては、「保健所から外出の自粛要請が出された場合は自宅待機」が43・1%で、「保健所の判断を待たず、原則として自宅待機」(33・9%)と合わせて、約8割が自宅待機を選択しました。
法律上は、保健所から正式に外出自粛等の要請があった場合には、会社は従業員に賃金や休業手当を支払わなくてもよいとされ、企業が賃金を支払う法的義務はありません。