厚生労働省の調べで30日、派遣切りなどで昨年10月以降に職を失ったか、今年12月までに職を失う予定の非正規労働者は、9月時点での調査より5556人増加の4262事業所で合計24万4308人に上ることが分かりました。
雇用形態別では、派遣社員が14万3249人で全体の58・6%を占め、期間従業員などの契約社員は5万5595人、請負社員は1万9101人でした。
今年10月の単月で職を失ったか、失う予定の非正規労働者は2829人だが、厚生労働省は「単月で4万人以上が職を失った昨年12月や今年3月の時期と比べれば状況は落ち着いている」と話しています。
都道府県別では、愛知県の4万690人が最も多く、東京都の1万848人、長野県の1万687人と続きました。
厚生労働省は最低賃金の引き上げに関する全国初の実態調査を2010年度に実施する方針です。現在の最低賃金は全国平均で時給713円ですが、民主党はマニフェスト(政権公約)で1000円に増額すると明記しています。
卸売りや流通など各分野の業界団体を通じて、最低賃金を引き上げた場合に経営や雇用、地域経済に及ぼす影響を把握します。
最低賃金は企業が従業員に最低限払わないといけない賃金の水準です。
同省は各種業界団体や都道府県の中小企業団体中央会、商工会議所などに協力を依頼する予定で、例えば713円から800円に引き上げた場合、どの程度の企業や就労者が対象になるかや、企業の経営や就労者にどのような影響が出るかなどを調べることにしています。
勤務中にくも膜下出血で倒れ、死亡した日本マクドナルドの元女性店長=当時(41)=の遺族が遺族補償年金などを求めた労災申請について、神奈川労働局労災保険審査官は27日までに、長時間労働による過労死と認定、労災を認めなかった横浜南労働基準監督署の不支給決定を取り消しました。
遺族は「日本マクドナルドの経営者には、二度とこのようなことが起きないよう改善してほしい」とコメントを出しました。
遺族を支援する連合や決定書によると、女性は横浜市の店舗の店長だった2007年10月16日、川崎市で開かれた講習中に倒れ、搬送先の病院で3日後に死亡。勤務記録上は07年1月以降の月残業時間は、5時間半〜45時間程度でした。
遺族は08年9月、横浜南労基署に労災を申請し、残業時間を計算する資料として通勤に使った車の駐車場の入出庫記録や、携帯電話メールの記録などを提出しました。
その結果、労基署は女性が倒れた日を発症日とし、直前6カ月の月平均残業時間を約77時間と認定しましたが、厚生労働省の過労死認定基準「発症前1カ月間におおむね100時間か、2〜6カ月間に月80時間を超える残業」を下回り、今年2月に遺族年金などの不支給を決定しました。
遺族は4月、決定を不服とし神奈川労働局に審査請求し、労働局は、女性が知人に送った頭痛を訴えるメールなどから、くも膜下出血前兆の頭痛を07年9月28日には発症したと認定し、平均残業時間は過労死認定基準を上回る約81時間になりました。
年労働者の支援や労働問題に取り組む民間非営利団体(NPO)「POSSE」(ポッセ、東京)が、失業者を対象に実施したアンケートで、「自己都合で退職した」と回答した人のうち、約36%がパワハラ・セクハラや賃金不払いなどの会社の都合が疑われる退職であり、自己都合とは考えにくい理由を挙げていることが26日、分かりました。
調査は、東京都内4カ所と京都市の5カ所のハローワーク前で18〜39歳の若年労働者を対象に実施、522人から回答を得ました。
具体的には、「パワハラやセクハラ」(12・5%)や「雇い止め」(12・8%)、「長時間労働」(6・9%)、「賃金・残業代の不払い」(4%)など、会社都合になりうる理由が計36・2%にも上りました。逆に、自己都合とみられる「他にやりたい仕事がある」は7・5%、「やりたくない仕事」は7・2%にとどまりました。
POSSEは「会社都合退職では、雇用調整助成金の給付を受けられないなど企業側に不利となるため、自己都合に追い込んでいるケースが多いのではないか」としています。
長妻昭厚生労働相は24日、年金記録問題の8億5000万件に上る紙台帳とコンピューター内の記録の照合作業に、2011年度までに約6万人を投入する方針を固めました。13年度までの全件照合を目指し、11年度までに全体の70%程度の照合を済ませる考えです。来年1月に発足する日本年金機構の職員増員やアルバイト職員の雇用などで対応する方針です。
政府は年金記録問題の解明を「国家プロジェクト」と位置づけ、2年間で集中的に対応するとしています。
またこれに先駆け、政府は23日、公的年金の加入者が郵便貯金のATMで年金記録を確認できるサービスを導入する検討に入りました。厚生労働省が2010年度の創設を目指している「年金通帳」を活用するもので、全国の郵便局に設置しているATMに通帳を差し込むと、年金の加入期間や保険料の納付額、もらえる年金額などが記載される仕組みを想定しています。
長妻昭厚労相が同日、亀井静香郵政・金融担当相に年金通帳の導入に関して郵便局のネットワーク利用を打診し、郵政相が大塚耕平内閣府副大臣に検討を指示しました。郵政相は同日の講演で「2万を超える郵便局を新しくどう活用するかは大きな課題」と指摘しており、政府の郵政改革の基本方針には、郵便局を行政サービスの拠点として位置づけることを明記していました。郵便貯金は年金の受取口座としても広く使われており、郵政相も対応しやすいと判断したものとみられます。