長妻昭厚生労働相は10日、無駄遣いが多いとの批判がある独立行政法人雇用・能力開発機構の職員を2011年度に2009年度比2割削減する方針を表明しました。加えて、巨額の建設費などが強い批判を浴びた職業体験施設「私のしごと館」(京都府)は2010年8月末に廃止予定でしたが、廃止時期を2010年3月末に前倒しすることになります。無駄を削減し、厚労省に関連する事業の見直しを進める狙いです。
雇用・能力開発機構の職員数は2009年度に3689人。これを23%削減し2011年度に2844人とします。予算額も減らし、2011年度は543億円と2009年度に比べて半分に減らします。また、役員も天下りを排除して完全公募制に切り替えるとしています。
厚生労働省は9日、国の電子申請システムが非効率だと指摘されている問題で、所管する11システムの改善方針を発表しました。利用が低迷し費用もかさんでいる「労働保険適用徴収システム」を低コストの新システムに移行させるほか、5システムを廃止します。残りの五つはすでに低コストだとしてさらに利用を促すとのことです。朝日新聞の報道を受け長妻昭厚労相が効率化を指示しました。
労働保険システムは、雇用保険や労災保険の保険料などを事業主がインターネットで国に申告する仕組みですが、年間経費が16億円と最も多い。08年度は全体の申請494万件のうち電子申請が5万件(1.1%)しかなく、1件あたりの経費も3万円に上っていました。
厚労省はこれを10年1月に新システムに移行した上で、「12年度までに1件当たりのコストを今の50分の1程度に引き下げたい」としています。 保険料の自動計算機能の使い勝手を向上させるなどを行うとのことです。
なお、渡航前に受ける予防接種を検疫所に予約するシステムは、08年度で1.8%しか利用されておらず、電話での対応も可能なため、今年度で廃止されます。
電子申請については、私も、社会保険労務士という職業柄か利用することも多いのですが、「紙ベースで提出する方が早いのでは・・・」と感じるケースも頻繁にあり、もっと使いやすくなって欲しいと強く思います。
峰崎直樹財務副大臣は7日、10年度予算での新規国債の発行額に関連し、「前の内閣の44兆円を上回らざるを得ないくらい、(厳しい)税収見通しが出てくるだろう」と述べ、鳩山由紀夫首相が掲げた「44兆円以下」の目標は、景気低迷による税収減で難しいとの見方を示しました。
峰崎副大臣は、法人税収が当初見込みの半分以下の5兆円割れになる可能性に言及し、46兆円を見込んだ2009年度の税収は「40兆円を切る」と明言しました。2010年度も急回復は見込めず、歳出は概算要求段階で95兆円に達していることから「来年度予算を組む時は本当に火の車だ」と語りました。
また、4年間は増税しないとしている消費税についても「4年後にはたぶん国民に負担を求めなければいけない選挙に入る。これ以上の(歳出)削減は無理だと思う。4年より前にも、(増税の提起が)起きる可能性がなきにしもあらずだ」と述べました。ただし「社会保障を充実させて国民が安心安全を自覚できる状態を作り上げない限り、(増税の実現は)難しい」ともしました。
<p><font face="Arial"> 厚生労働省が2日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、従業員1人あたりの現金給与総額は9月まで16カ月連続で減少しています。これに対し、米国や英国、ドイツでは賃金の上昇傾向が続いており主要国の中で日本の賃金下落が際立っています。日本企業は人員の削減を抑える代わりに、給与や賞与の削減で景気悪化に対応してきましたが、賃下げよりも人員整理に動きやすい米欧企業との違いが鮮明になっています。</font></p>
<p><font face="Arial"> 日米英独4カ国の政府や中央銀行がまとめた統計を基に、従業員1人あたりの賃金(月平均)の変動率を前年同月比で比べました。米国の雇用統計は時給(同)を指標にしているため、労働時間をかけて調整ています。</font></p>
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厚生労働省は5日、保護者が国民健康保険(国保)の保険料(税)を滞納して子どもが「無保険」状態になってしまう問題で、今年4月に施行された改正国保法の救済措置で対象外とされた高校生世代の人数について、全都道府県に調査を依頼しました。
同日付で改正法で6カ月間有効の短期証を交付することになった中学生以下についても、短期証が実際に行き渡っているかどうか実態を調べ、年内に結果をまとめる方針です。
無保険の子どもについては、昨年の厚労省の調査で中学生以下で約3万3千人いることが判明。高校生世代でも数千人いるとみられます。
昨年12月、改正国民健康保険法が成立し、中学生以下は今年4月から救済措置が導入されましたが、高校生世代は対象外とされていました。
この問題は、非正規労働の広がりや景気悪化で、親が保険料を支払えず子どもが無保険状態となり、医療機関の受診を控えるケースが顕在化したことにあります。
厚生労働省は調査結果を踏まえ、高校生世代も救済措置の対象に加えるかどうか検討します。