18日、労働政策審議会は労働力需給制度部会を開き、労使の仲介役の公益委員が労働者派遣法改正案の原案を提示しました。
○製造業派遣では派遣元と雇用関係にある「常用型」派遣を除いて禁止する
○仕事がある時だけ働く「登録型」派遣についても専門職などを除き禁止する
○雇用情勢や企業活動への影響に配慮して経過期間を設け、改正法案は公布日から3年以内に施行する
といった内容です。
厚労省は原案をもとに改正法案をまとめ、年明けの通常国会への提出を目指します。ただ経済界は規制強化に反発しているため、最終決定には曲折も予想されます。
製造業派遣について、民主党など与党3党は特殊な製造技術を持つ「専門職」を新設し、規制対象から外す方針を掲げています。審議会では専門職の範囲を決めるところまで議論が深まらず、今後の検討課題としました。
休憩が取れない状態で長時間勤務させられたとして、ビジネスホテルチェーンで阪神尼崎駅前店(兵庫県尼崎市)のフロント担当の社員と元社員計7人(全員20代の女性)が未払い賃金など計約2600万円の支払いを求める訴訟を17日、大阪地裁に起こしました。
訴状によると、同店のフロント業務はシフト制で、就業規則では24〜25時間の勤務中、4時間15分〜8時間の仮眠や休憩が規定されていますが、現実には深夜は1人の時間帯が長く、昼間も客や業者への対応などで休憩をとるのは不可能であったとのことです。
また、実際の業務では用いない礼法の訓練を16〜20時間繰り返すなど過酷な社員研修を強制され、人格権を侵害されたとも主張しています。
ビジネスホテルチェーン広報部は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。
社会保険庁の後継組織として来年1月に発足する日本年金機構発足後の再就職先が決まっていないため、民間の解雇にあたる「分限免職処分」となる職員が、12月初めの見通しより100人以上増え、最終的に300人程度まで膨らむ可能性のあることが17日、分かりました。
「分限免職」となる社保庁職員が生じることを防ぐための措置として、170人を追加募集しましたが、応募したのは社保庁での懲戒処分歴のない61人。分限免職の効果的な回避策とはなりませんでした。
厚生労働省は「准職員の給与水準は正規職員と同じだが、最長7年の有期雇用という条件が不人気につながったのではないか」とみています。
長妻昭厚労相は引き続き、分限免職の回避努力を続ける方針です。日本年金機構は来年1月に正職員約1万880人、有期雇用職員約6950人の態勢で発足します。
厚生労働省は16日、保護者が国民健康保険の保険料を滞納したため「無保険」になっている高校生らに、有効期限6カ月の短期保険証を一律交付する方針だと発表しました。
来年の通常国会に国民健康保険法改正案を提出し、来年夏からの交付を目指します。
同日発表した調査では「無保険」状態にあり、医療機関で受診しても国民健康保険が適用されない高校生らが全国で約1万600人いることが分かりました。
無保険の子ども問題では昨年の法改正で保護者が保険料を滞納していても中学生以下には短期保険証を交付することになっていて、高校生世代は対象外でした。
厚生労働省は14日、 今年中に賃金(月給)を引き下げたか、引き下げる予定の民間企業は、前年を9・8ポイント上回る12・9%となり、調査を始めた1999年以降、過去最多となったことを発表しました。また、従業員の賃金を一時的にカットしたり、諸手当を削ったりしたか、予定する企業が30・9%(前年比21・6ポイント増)に上ったといいます。
調査は今年8月に実施。労働者100人以上の企業3176社に対して調査依頼し、1821社から回答を得ました。それによると、賃金を引き下げたとする企業を業種別でみると、最も多かったのは建設業で23・4%。卸売業・小売業18・2%、宿泊業・飲食サービス業16・9%などが多かったとのことです。
また、09年中に賃金を引き上げたか、引き上げ予定の企業は61・7%(同12・3ポイント減)で、02年の61・5%に次いで低くなりました。1人平均の改定額は3083円(同1334円減)で03年に次ぐ低額となりました。