政府は、身体障害など従来は個人の問題として心身の機能に注目する「医学モデル」としていた「障害者」の定義について、抜本的な見直しに乗り出すこととなりました。
社会参加を難しくしている社会の側の問題を重視し、必要な支援を把握する「社会モデル」への転換を行うことが狙いです。
障害者については、障害者基本法で「身体障害、知的障害、精神障害があるため、日常生活または社会生活に制限を受ける者」と定められており、さらに、身体障害者福祉法など障害ごとに福祉法令があり、それに基づき障害者自立支援法や障害者雇用促進法などが運用されてきました。
例えば身体障害では、視覚や聴覚、肢体のほか、腎臓や心臓の障害、HIVは対象となるものの、他の多くの内臓や免疫系などの障害は対象外となっています。
しかし、対象外の人でも社会参加が難しいことが多く、障害者は「社会参加に支援やサービスが必要な人」との考え方を基にし、一人一人の経済状況や住環境などを考慮して、障害者として認定する定義のあり方を見直し検討することとしています。
個人的には、「障害者」という言葉自体も、もっとプラスイメージの言葉に変わったらいいのになあ・・・などと思います。
調査機関などの間では「2011年春卒の採用について、就職氷河期と呼ばれた00年代前半ほど悪くならないだろう」との見方をされています。
採用活動自体を止める企業が急増したバブル崩壊後に比べ、今回は企業が「採用人数は抑制するものの、必要な人材は確保する」という姿勢を保っていることが要因であると思われます。
雇用関連の調査などを手がけるリクルートのワークス研究所によりますと、大卒求人倍率が最悪だったのは0.99倍と、1倍を割り込んだ00年春卒。「厳しい」といわれた10年春卒も求人倍率は1.62倍と過去20年間の平均的な水準となり、11年春はこれを下回ることとなりますが、00年春ほどには落ち込まない可能性が高いと見られています。
ただし、沖縄県内にあっては、依然として厳しい状況にあることは確かなようです。
厚生労働省は6日、医師や建設業など業種ごとにつくる165の国民健康保険組合(国保組合)のうち、2007年度に18組合が加入者本人の入院医療費を無料にしていたと発表しました。国保組合には国から多額の国庫補助金などが支給されており、手厚い給付への批判が強まりそうです。
本人の入院医療費が無料になる措置をとっていたのは業種別でみると、建設国保12、歯科医師国保4、医師国保2で、ほかにも入院患者が医療機関に支払う自己負担額を月1万円にするなど定額制にしている例もありました。
国保組合には国庫補助金2632億円のほか、別枠で特別調整補助金227億円など多額の補助金が支給されており、国保組合全体の積立金は法令で定めた最低積立額の約1.5倍あるとのことです。
厚労省は「疑念を持たれかねないので改善を指導したい」としています。
周辺住民らにアスベスト(石綿)被害をもたらした、兵庫県尼崎市の大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場の近くに住んでいた同市の男性(69)が7日、記者会見し、石綿を大量に吸ったことによるじん肺の一種「石綿肺」になったことを明らかにしました。
石綿肺はアスベストを使用する工場に勤務していた人などが大量に吸い込むことで肺がおかされ、呼吸困難などの症状を引き起こします。工場の従業員は労災の対象ですが、石綿を扱う労働者以外で石綿肺を発症した例は確認されていないとのことです。
男性によると、クボタが旧神崎工場で毒性の強い青石綿を大量に使っていた57〜75年には、その近くで当時は家族が経営していた金属加工会社の工場で働いたり、寝泊まりしたりしていましたが、その工場では石綿は扱っていなかったといいます。
クボタは石綿健康被害救済法(石綿新法)が施行された2006年4月、工場近くの被害住民に救済金を支払う制度をつくり、09年9月までに約180人が受け取りましたが、対象の病気は中皮腫と肺がんだけです。
クボタのアスベスト(石綿)被害救済に取り組んできた尼崎労働者安全衛生センターの事務局長は、「救済から漏れる人がさらに増える可能性もある。法改正を検討すべきだ」としています。
名古屋市が独自に実施した「消えた年金」問題の調査結果がまとまりました。市は、独自に把握している国民健康保険加入者の情報を活用して、市が調査を担当した639人(802件)のほぼ全員と接触し、約64%の404人(515件)の記録の持ち主が判明し、厚生労働省が「名古屋方式」による調査を各自治体に要請するなど成果を上げました。
公約で「消えた年金」の独自調査を掲げた河村たかし市長が09年9月に調査開始を表明し、国保加入者の住所や電話番号を基に、調査対象記録の1091件のうち1083件の連絡先を特定しました。
このうち、愛知社会保険事務局分を除いた市担当分の802件について、10月中旬から2カ月間、職員が、不正を防ぐため「相手から勤務先を述べてもらう」などのマニュアルを定め電話と訪問による調査を続け、介護施設に入所していた15人を除くほぼ全員に接触し、その結果、約64%の持ち主が判明しました。一方、約36%の287件は持ち主が判明せず、「宙に浮いた記録」のままになっております。
市保険年金課によると「勤務したのは大昔で記憶がない」「事業所を転々として覚えがない」などの理由で特定できなかったとのことです。