ソニーは15日、4月からソニーと国内グループ会社の人事・経理業務の一部を日本アイ・ビー・エム(日本IBM)にアウトソーシング(外部委託)すると発表しました。勤務評定や待遇にかかわる業務は引き続き、グループ内で行うとのことです。ソニーは業務の集約や製造拠点の見直しなどの組織の効率化をを進めており、今回もその一環。インターネットの活用などで社内業務費の低減を図ります。
日本IBMに外部委託する具体的な業務は、国内におけるソニー本体および一部子会社の給与計算、派遣要員の管理、社員サポート、出張費精算、売掛金や買掛金の管理など。大企業の間では、コスト削減のため、人事や経理など内部管理で使うコンピューターシステムの管理、運用などをIT(情報技術)メーカーに外部委託することは多いですが、業務そのものまで外部委託するケースは珍しく、同じ電機業界で一部業務ではライバル関係にある他社に委託するのも異例です。
サービス提供にあたって、共同出資会社「ヒューマンキャピタルアソシエイツ」を設立します。資本金は1億円で、IBMが60%、人材派遣会社のマンパワーが20%、ソニーが20%それぞれ出資します。本社は、東京・箱崎のIBM本社内に置きます。設立は4月1日の予定。
10年3月期も2期連続の最終赤字を見込むソニーは09年度、グループ全体で3300億円のコスト削減を計画。今回の内部管理業務の外部委託もリストラ加速の一環と見られます。
厚生労働省は14日、18日召集の通常国会に提出する「子ども手当」法案の概要を、同省政策会議や各都道府県に示しました。
同法案は4月1日から1年限りの時限措置で、所得制限は設けず、6月以降、月額1万3000円を年3回にわけて支給します。新たに手当を受け取るには、事前に各地の市町村窓口で申請手続きをする必要があります。
子ども手当は、中学卒業までの子ども1人あたり月額2万6000円を、子育て家庭を支援するために支給する新制度です。
法案では来年度は半額の月額1万3000円を支給する措置とし、支給額が倍となる11年度以降は財源などを調整した上で、改めて新法案を提出します。
来年度は、まず6月に4、5月分の子ども手当が支給されます。すでに児童手当を受給している場合は2、3月分の児童手当と合わせて受け取ることになり、その後は10月と来年2月に、前月までの4カ月分をまとめて受け取ることになります。
9月末までに受給資格があることを市町村に申し出れば、、住民票などで確認を受けた上で認定を受け、4月分までさかのぼって受給できます。
厚生労働省は14日、09年度4月〜10月の国民年金の保険料納付率は58.0%(経済的理由などによる免除分を除く)で、過去最低だった昨年度の同期(59.9%)より1.8ポイント下がったと発表しました。
20年度は通年で62・1%と過去最低を記録。不況による収入減や、年金記録問題が影響し、納付率の低迷が続いていることが裏付けられました。
厚生年金に加入していたサラリーマンが会社の倒産などで国民年金に移るケースが増えているほか、年金記録問題への対応に人員を割かれ、徴収業務に十分な数の職員を配置できなかったことも影響しました。
都道府県別で最低だったのは沖縄の35・5%。次いで大阪の48・6%、長崎の53・2%で、最高は島根の71・3%で、新潟の70・8%、福井の69・9%が続きました。
厚生労働省は13日、今月1日の社会保険庁から日本年金機構への移行に伴い、厚労省の電子申請システムで厚生年金関係などの届け出810件を受け付けないミスがあったことを発表ました。
本来は1月1日午前0時前後にシステムを切り替えるべきであるのに、年金機構がまだ発足していない昨年12月29日に、委託業者が誤って前倒しで切り替え処理を行ってしまったことが原因とのことです。
厚労省によると、処理ミスがあったのは、昨年12月28日(月)午後6時から同31日(木)午後4時までの間に、事業主など269人からインターネットで「電子政府の総合窓口」(e-Gov)に申請された手続き(日本年金機構申請手続)で本来の処理がされないまま「手続き終了」として申請者に戻されてしまったといいます。
厚労省は今月4日にミスに気付き、全員に謝罪するとともに再申請を依頼しました。
実は、私自身も、この影響を受けた1人です。
年末に電子申請でとある事業所の届出を行っていたのです。
日本年金機構への移行に伴う混乱状況を、肌で感じた瞬間でした。
今後の電子申請の安定した運用が、強く望まれるところです。
(参考)厚生労働省ホームページ−厚労相報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003nm0.html
長妻昭厚生労働相は12日の閣議後記者会見で、国民年金の保険料の未納分を過去にさかのぼって納付できる期間を、現行の2年から10年に延長する方針を明らかにしました。保険料未納により、年金をもらえない人や年金額が少ない人の救済が狙いです。通常国会に国民年金法改正案を提出し、2011年度中の施行を目指します。
国民年金を受給するには25年以上加入し、原則としてこの間保険料を納付する必要があります。国の推計では、無年金もしくは、将来無年金となる人は118万人とみられます。
改正法が成立すれば、新たに受給資格を得る人や、40年加入が必要な満額(月額6万6000円)を受け取れるようになる人が出てきます。中でも今後保険料を払い続けても加入期間が25年に届かず、現行制度では年金受給をあきらめていた現役世代にとってはメリットは大きいと考えられます。