神奈川県の平塚労働基準監督署は18日、最低賃金法違反(賃金不払い)の疑いで、ペット霊園開発などを営む平塚市土屋の不動産業と同社の女性社長(57)、取締役の男性(63)を横浜地方検察庁小田原支部に書類送検しました。
同社は秦野市南矢名の事務所でペット霊園の開発などを営んでおり、従業員3人に平成21年1月分の賃金計約77万7548千円を期日までに払わなかった疑いが持たれており、ほかにも従業員7人に対する不払いを確認しています。
同監督署によると、同社には10人程度の社員がいるが、2月以降も社員に賃金を支払っていない状態といいます。
社長らは「(高齢者向け住宅)の建設費用に回した」と容疑を認めています。
東京高裁は18日、旧黒磯市職員から「障害基礎年金の受給資格がない」との誤った説明で年金を受けられなかったとして、旧黒磯市(現那須塩原市)に住んでいた身体障害者の50代男性が、市などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、職員の発言を不法行為と認定した上で、約1100万円の支払いを命じました。
2008年4月の一審東京地裁判決は請求を棄却しており、男性側の逆転勝訴となりました。
裁判長は、男性は1987年3月ごろ、市職員の誤った判断による発言で年金の受給申請を断念、受給可否の裁定を受ける機会を妨げられたと男性の障害者手帳の記録などに基づき判断し、時効で受給権を失った1982〜2000年の年金額相当分の賠償を命じました。
また、市職員の発言内容についても「男性を立腹させ、卑下したといえる内容。男性は返す言葉もなく引き下がった」と批判しました。
判決によりますと、87年3月ごろ、医師の助言で受給申請のため市役所を訪れた際、国民年金係の窓口担当者が確認もせず「申請は無理です。さらに手足が不自由になるか、車いすになるとかで障害が重くなればできますが」と男性に発言したとのことです。
男性は06年、同じ障害のある知人が年金を受けていると知り、再び申請し受給を認められましたが、2000年分以前の年金が時効で受け取れませんでした。
那須塩原市は「対応を一任している国と協議して、今後の方針を決めたい」とコメントしています。
長時間勤務の結果、過労で脳に障害を負い、意識不明の寝たきり状態になったとして、鹿児島県鹿屋市の元ファミリーレストラン支配人、松元洋人さん(35)と両親が、店を経営する康正産業(鹿児島市)に約3億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁でありました。山之内紀行裁判長は過労と症状の因果関係を認め、「過酷な労働環境を漫然と放置した」と、会社側の安全配慮義務違反を認定し、将来の介護費用や未払い賃金など総額約1億9400万円の支払いを命じました。
原告側弁護士によると、過労障害を巡る賠償額としては、約2億円の支払いを命じた大阪地裁判決(08年4月)に次いで2番目に高額となります。賠償額には、症状固定が認定された31歳の時から余命46年分の介護費のほか、介護する両親に対する慰謝料も含まれています。
松元さんは2001年11月に正社員に採用され、2003年9月から支配人として鹿屋市内の店に勤務。人手不足の中、接客や食材の仕入れ、パートの募集・面接、会計処理などに追われ休日返上で働いていましたが、管理職扱いのため残業代は支給されませんでした。
2004年11月10日未明、帰宅後に心臓発作を起こし、低酸素脳症で意識不明となったということです。
発症までの半年間の時間外労働は月平均約202時間に上り、労災認定基準の発症1か月前の約100時間の2倍を超えていました。鹿屋労基署は2006年1月に労災認定し、休業補償などの支給を決定していました。
山之内裁判長は判決で、「会社の長時間労働に対する無関心ともいえる姿勢と、一切の残業代を支払わない労務体制が原因」と指摘しました。
内閣府は15日、公契約入札の際に、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を図り、
女性の雇用促進や労働時間短縮を進めることに熱心な企業を優遇する制度を導入する
と発表しました。
第1弾として、2010年度に内閣府が実施するワークライフバランスに関する調査の
委託先の選定の際に導入されます。
今後、施設修繕や物品調達などでも適用を検討することとしており、企業が育児などを
しやすい環境を整えるよう後押しするのが狙いです。
会合に参加した福島担当相は「女性の活用やワークライフバランスに取り組むことが
企業にとってメリットになる。政府全体に波及するよう期待している。」と述べました。
長妻昭厚生労働相は13日、公的年金の運用にかかる印刷やシステム関連など年金事務費に保険料から毎年約2000億円を流用している問題について、「4年間でゼロにしたい」と述べました。13年度までに全額を国庫負担(税金)でまかなうように改めることを明らかにしました。
民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で「保険料流用を禁止することで、年金給付の水準を少しでも高める」とし、「年金保険料は年金給付だけに充当することを法律で定める」と明記しました。しかし、10年度予算編成では財源難から流用を続け、自民党に責められたばかりです。
年金保険料の目的外使用は04年の年金制度改革時に問題化されました。批判を受け、自公政権は05年度から福利厚生や公用車費などは税金に切り替えたものの、システム経費や給付・徴収経費といった年金事務費には引き続き保険料を充てました。
これに対し、長妻氏ら民主党議員は「目的外の流用だ」と批判し、衆院選マニフェストでは「年金保険料流用禁止法案」の策定を約束しました。
しかし、いざ予算編成に着手すると、即座に財源難の壁に直面し、結局10年度予算では例年とほぼ同額の2046億円の保険料を事務費に回さざるを得なかった背景があります。