厚生労働省は26日、国民年金保険料をさかのぼって納付できる期間を現行の2年から10年に延長すると、最大40万人は無年金にならずにすむとみられるとの推計を発表しました。年金額が増える人などと合わせると、最大1710万人に効果が生じるとみられています。現在、国民年金の加入期間が足りず、将来的に無年金者となる65歳未満の人は約85万人と推計されており、制度改正により約半数を救済できることになります。
未納の国民年金保険料をさかのぼって納付できる追納期間は、現行で「過去2年」。同日の審議で、長妻厚生労働相は追納期間を「過去10年」に延長する国民年金法改正案を今国会に提出し、2011年度から実施する方針を表明しました。納付期間が足りずに受給資格がない「無年金者」が新たに受給権を得たり、年金受給額が低い「低年金者」の受給額が増える可能性があります。
効果が生じるとされている1710万人の内訳としては、
(1)追納で年金額が増えるのが1600万人
(2)受給資格を得る年齢が早まるのが70万人
(3)将来無年金とならずにすむのが40万人
と見込まれています。
現在、国民年金は加入期間が25年に1カ月でも足りなければ受給できません。これまで、事後納付を認める期間が2年というのは短すぎるとの指摘が多くありました。
新潟労働基準監督署は25日までに、昨年5月、佐川急便新潟店(新潟市西区)の男性係長=当時(42)=が自殺した問題で、自殺したのは過重労働が原因だったとして労災認定しました。
弁護士によると、労基署は男性が月100〜200時間超の残業をするなど過重労働で鬱病(うつびょう)を発症、自殺したと認定しました。
遺族は今後、同社が安全配慮義務に違反していたとして、損害賠償を求めていく方針とのことです。
中央労働委員会は24日、2009年に全国の労働委員会があっせんや調停を行った集団的労使紛争は733件で前年より32.7%増え、平成に入り最多だったと発表しました。同委員会は「リーマンショックを機に企業の経営が悪化したことが背景にある」とみています。
個人と使用者の個別労働関係紛争のあっせん件数も534件で、同20%増えて01年の制度開始から最多となりました。
労使紛争で最も多いのが賃金に関するもの(346件、前年比38.4%増)で、ついで経営・人事の関するもの(313件、同40.9%増、うち解雇に関してが191件)でした。
個別労働関係紛争は、整理解雇が78件で前年から倍増したほか賃金未払いに関する紛争(114件)や労働条件に関する紛争(13件)も大幅に増加しています。
総務省が22日発表した労働力調査によると、派遣やパートなどで働く非正社員は
2009年平均で1721万人となり、前年より約39万人減りました。
統計を取り始めた02年以来、非正社員の数が減ったのは初めてです。
正社員は3380万人と約19万人減にとどまり、非正社員が雇用の調整弁になって
いることが浮き彫りとなっています。
役員をのぞく雇用者は5102万人で前年より57万人減少し、男性は正社員が前
年比24万人減の2334万人、非正社員が同32万人減の527万人、女性は正社
員が6万人増の1046万人で、非正社員が6万人減の1196万人です。
02年の非正社員は1451万人で、雇用者に占める割合は29.4%にとどまって
いたものの、その後、景気回復に加え04年に製造業派遣の解禁により増え続け
ましたが、08年秋以降の雇用危機で、09年は前年比0.4ポイント減の33.7%と
なりました。
非正社員のうち、パート・アルバイトは1153万人、契約社員・嘱託は321万人で、
いずれも前年より1万人増えています。
一方、派遣社員は32万人減の108万人となり、非正社員のなかでも、とくに景気
悪化による人員削減の対象になっている実態が反映された結果となりました。
また、景気の回復が遅れているため、失業状態から抜け出せない人も増加して
います。
09年平均の完全失業者336万人のうち、失業期間が3カ月以上だった人は214
万人で、前年より48万人増加し、これまでで最も大きい増加幅です。
これを年齢別にみると、25〜34歳が前年比15万人増の57万人、35〜44歳が
12万人増の45万人となっています。
また、失業期間が1年以上の長期失業者も95万人と前年より8万人増えています。
中小企業の会社員と家族らが加入する協会けんぽは、加入者の4月以降の保険料
負担の増加について、月収別の試算を行いました。
税引前の月収が30万円の会社員(40歳以上65歳未満)の医療・介護の保険料は月
額2170円に増える計算となります。
政府は来年度に国庫負担を増やし、保険料の上昇幅を抑制する方針としていますが、
一定の負担増は避けられない情勢となっています。
なお、協会けんぽの医療の保険料率は4月納付分から現在の8.2%から9.34%に
上がり(全国平均)、40〜64歳までが負担する介護保険料率も1.19%から1.50%に
上がります。
高齢化により医療費の支出が膨らんでいるうえに、保険料収入が景気低迷のため
落ち込んでいることが理由とされています。
沖縄県の健康保険の保険料率は、現行の8.20%から9.33%に引き上げられます。
詳しくは、こちら(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/detail.1.36104.html)をご覧下さい。