86年に廃止された厚生年金保険料の相当額を払い戻す脱退手当金制度を巡り、
29日、年金記録回復委員会は、年金事務所窓口で訂正を認める新しい救済基準
を了承しました。
当制度は、結婚などで厚生年金を脱退する際、納めた保険料を一時金として
受け取る仕組みとなっており、算定期間に漏れがあった人は19万人に及ぶと
されています。
新しい基準は「手当の支給日以前に、漏れていた厚生年金の加入期間がある」
ことが要件で、同じ年金番号に手当の対象期間と漏れていた期間がある人や、
別の番号でも手当支給日から1年以内に厚生年金に加入、もしくは国民年金に
加入し未納がない等の場合は、支給はなかったとみなされます。
また「ねんきん特別便」での記録漏れにより年金が減額となる場合は、対象の
受給者に訂正が必要か確認する方針で合意されました
NTT西日本の社員3人がリストラ計画で遠隔地などに2回にわたり配置転換されたのは、「労働者の健康状態や家庭状況への配慮が十分といえず、不当な差別的意図があったとみられる」と指摘。配転命令の無効と慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決で、「配転命令権を乱用した違法な命令だった」として、高松高裁は25日、社員それぞれに200万円ずつを支払うようNTT日本に命じました。
一審松山地裁判決は社員側の全面敗訴でした。
判決によると、NTT西日本は2001年に発表した経営計画に基づき、51歳以上の一部社員に、賃金カットを伴う子会社での再雇用か全国転勤がある残留かを選択させました。
これを拒否した社員3人に対し、02年に愛媛県から名古屋などに配転させ、06年にも大阪などへの配転命令をしました。
衆院厚生労働委員会は24日、政府の提出した雇用保険法改正案を民主、社民、公明、共産各党の賛成多数で可決しました。保険の加入要件である雇用見込み期間を、従来の6カ月以上から31日以上に短くするとともに、労使で折半する失業給付の保険料率を0.8%から1.2%に引き上げることなどが柱で25日の衆院本会議で可決し、参院へ送付する見通しで月内の法案成立を目指します。
厚労省は加入要件の緩和でパートやアルバイトなど非正規労働者255万人が新たに保険に入れるようになると試算しています。保険料率の引き上げで月収30万円の会社員の場合、保険料は月2400円(労働者本人負担は1200円)から3600円(労働者本人負担は1800円)になります。
このたびの改正で、雇用保険の対象となる範囲が広がるのは良い点ではありますが、健康保険の保険料率アップに続き、このたびの雇用保険料率改定。立て続けの負担増は、厳しい経済状況・雇用情勢に追い打ちをかけているような気さえしてきます。
◇改正その1
中小企業人材能力発揮奨励金の廃止《平成22年3月31日(予定)》
<手続き>平成22年3月31日までに改善計画を都道府県に提出された場合、平成22年4月1日以降経過措置が適用されます。
◇改正その2
中小企業基盤人材確保助成金 ★改正《平成22年4月1日(予定)》
1 一般労働者への助成が廃止されます。
2 新分野進出等に係る中小企業基盤人材確保助成金
雇用失業情勢の改善の動きが弱い地域(特定地域)への拡充措置が廃止されます。
※沖縄の場合、基盤人材1人当たり210万円の助成が140万円に引き下げられることになります。
3 生産性向上に係る中小企業基盤人材確保助成金
小規模事業主への拡充措置が廃止され、300万円以上の設備投資要件が加わります。
助成額が140万円から170万円に拡充されます。
生産性向上基盤人材が60歳以上の場合、年収要件が450万円以上から400万円以上に緩和されます。
◇改正その3
キャリア形成促進助成金 ★改正 《平成22年4月1日(予定)》
専門的な訓練に係る助成率が1/2から1/3に引き下げられます。
「事業仕分けの影響か、「改正」と言っても、助成金額が引き下げられたりするものもあり、「改正」とは程遠い内容となっています。
厳しい雇用状況もあるので、「事業仕分け」も結構ですが、雇用促進などの必要な事業には予算を拡充するなどの措置が必要とも思われます。
社員の労災事故を労働基準監督署に報告せず、発覚後も虚偽説明をしたとして、金沢労働基準監督署は18日、労働安全衛生法違反の疑いで運送大手会社(堺市)と同社の金沢支社長(33)を書類送検しました。
送検容疑は2008年6月、同法の規定に違反し、引っ越し作業中に右足靱帯切断のけがを負い4日以上休業した社員の事故を労働基準監督署に報告しなかったほか、この事故と、別の作業事故をめぐり、今年2月に労働基準監督署の調査を受けた際、「仕事中の事故ではない」と虚偽の説明をした疑いです。
同署によると、同社金沢支社は、支社内で負傷した社員らに事故を口外しないよう命じていました。「労災隠しをしている」との情報が金沢労基署に寄せられ発覚しました。
同社は「労災に対する支社の認識が不足していた。事故防止に努め、社員の教育を徹底したい」とし、支社長の処分を検討していることを明らかにしました。