出産した女性が受け取れる「出産育児一時金」を増額しても、出産費用も同じように上がっているため負担が軽くなっていない傾向にあることが厚生労働省の調べでわかりました。 一時金の財源は健康保険料と税金で、政府が支給額を決め、健康保険組合などを通じて払っています。一時金は2006年9月までは30万円でしたが、その後政府が段階的に増やし、今は原則として42万円。一方、10年8月時点の出産費用は平均47万3626円と、05年3月に比べ約12万円増えています。 通常の出産は保険のきかない自由診療で料金は医療機関が決めています。 厚労省には「一時金が増えても医療機関が費用を上げるので負担軽減にならない」といった声が複数寄せられているといいます。
本日の新聞でも取り上げられていましたが、 雇用期間を決めて働くパートや契約社員などの有期契約労働者の待遇改善に向けた新たなルール作りが労働政策審議会(労政審)で本格化することになりました。有期契約 を季節労働などに限るといった規制強化策や、雇用契約終了時に企業が給料とは別に手当を支給する仕組みの導入などが検討課題として浮上しています。 厚生労働省は今年末までに労政審の意見をまとめた上で、法制化を急ぎたい考えと していますが、経営者側は雇用縮小につながりかねないとして、この規制強化案に強く反発、協議は難航すると見られています。 最低賃金のアップや、この有期契約労働者の待遇改善等、一見、働く側から見れば好ましいことですが、この厳しい経営環境の時代から見ると、必ずしも、手放しで喜べることではないのかもしれません。
厚生労働省は24日、2012年度の介護保険制度改正の基本方針を発表しました。
〈1〉財政安定化基金の取り崩しによる介護保険料の軽減
〈2〉24時間対応の訪問介護サービスの創設
〈3〉11年度末で廃止予定だった介護療養病床の廃止延期――が柱。
ケアプラン(介護計画)作成の有料化や高所得者の自己負担割合の引き上げなど、利用者の負担増は見送るそうです。来年の通常国会に介護保険法改正案を提出する方針です。
厚労省の試算では平均月額保険料は現在の4160円から12年度には5200円に急上昇する。
厚労省は当初、サービス利用者の負担増で保険料を抑える方針でした。しかし、来春の統一地方選への影響を懸念する民主党内の声に配慮し、来年通常国会に提出予定の関連法案に負担増案を盛り込むことを断念したそうです。
12年度から最大で月5200円程度と試算されている高齢者の月額の保険料については、
「負担が大きすぎる。5000円を超えないような金額で検討している」と話しています。
政府は20日、2011年度の公的年金支給額を5年ぶりに引き下げる方針を決めました。 公的年金制度には物価水準を年金支給額に反映させる「物価スライド」が導入されてい ますが、前年の全国消費者物価指数を基準年と比べ、翌年度の支給額に反映させること が定められています。 10年の物価指数は基準年である05年の水準を下回るのが確実なため、年金支給額は 引き下げられることになります。 厚労省は現在、年金額の引き下げ幅を0.3%程度で調整しており、40年間保険料を納 めた人の基礎年金の満額(66,008円)受給者で、月200円、年額で2400円程度下がる 見込みです。また厚生年金では夫婦のどちらか一方が働く家庭で月700円程度の引き下 げとなる見通しです。 来年春の統一地方選を控えて引き下げの影響を懸念し、当初首相は見直しを指示して いたということですが、物価も賃金も下がっている状況下での年金支給額の据え置きは、 公的年金への信頼を揺るがし、実質的な引き上げともなるため、次世代間のへの負担の つけ回しという批判を避ける決定となりました。
厚生労働省は16日、失業手当を2011年度中に引き上げる方針を決めました。 最大360円増額する方針です。 失業手当は毎年改定されていますが、07年度から減少が続いていて、引き上げは5年ぶりになります。 引き続いている雇用情勢の厳しさと、最低賃金が上昇していることなどを踏まえました。 失業手当は離職前6カ月の平均賃金に連動していて、1日当たりの下限額と上限額が決められています。 今年度の改定では、下限額を256円引き上げ、1856円となります。 上限額は30歳未満で6435円(290円増額)、30歳〜45歳未満で7150円(325円増額)、45歳〜60歳未満で7865円(360円増額)となります。 短期間で再就職した失業者に向けて支給されている「再就職手当」も増額します。 現在は失業手当の残り受給日数の40〜50%分相当額を給付していますが、2012年度中に給付率を50〜60%に引き上げます。 昨年度の失業手当受給者数は10月まで月65万〜73万人でした。 前年比では2割超減りましたが、引き続き高水準となっています。 景気が不透明な中、11年度も高水準の受給状況が続く可能性が高いといえます。 この改正により、受給者の大半が増額される見通しとなっています。