独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(http://www.jeed.or.jp/)では、今月6日、障害者雇用に関する各助成金支給要件の一部緩和などについて発表しました。同機構では今回の震災で被災した企業や事業所などに対し相談するよう呼びかけています。
申請期限延長や特例で支給が認められる助成金もあります。
今回の特例で支給対象となるのは、現在申請中の案件や現時点で支給決定が下りていない案件のうち、震災の被害を受けて使用できなくなった施設や設備等です。また、既に助成対象となっている施設や設備が損壊などの被害を受け、代わりの物件・設備や整備を必要とする場合も支給対象となります。
雇用している障害者が被災をしており、勤務ができない状況にありながらも、今後の職場復帰を図るために必要な対応や、業務再開に向けての措置を続けている場合には、その対応・措置に対しても助成対象になります。
申請書類などの喪失やデータの紛失などの被害も大きいため、決められた申請期限内に手続きが完了していない各請求についても、申請延長が認められています。
この緊急措置は当面は被害が甚大な青森、岩手、宮城、福島、茨城に適用されます。今後の被災状況により、地域拡大される場合には別途告知されます。
問い合わせ・相談先は、同機構:障害者助成部 助成管理課(03−5400−1616)となっています。
政府は12日、東日本大震災に伴い近くまとめる2011年度第1次補正予算案に、雇用対策費1兆円を盛り込む方針を明らかにしました。
東北地方に事業継続の難しい企業が多数あるほか、計画停電などの影響で広範囲に雇用不安が高まりつつあるため、大規模な予算を投じ、雇用の維持を図ります。
政府は1兆円のうち雇用調整助成金に約7千億円、雇用保険の失業給付に3千億円を充てる計画で、1次補正予算案の特別会計歳出に計上する方向です。
失業給付の期間は現在、被保険者期間に応じて90〜360日間で、60日間延長する制度はありますが、被災者を対象に、さらに60日延長できるように法改正を行うほか、失業給付を受け取っているあいだに再就職した場合、最低でも約3万円が受け取れる復帰支度金の新設も検討しているということです。事業所が休業し、特例として失業給付を受けている人にも適用させる方向です。
創業時に活用できる助成金として、近年定着しつつある「地域再生中小企業創業助成金」。
この助成金の要件について、平成23年6月1日以降の創業分から改定となる予定とのことです。
まだ、要件は最終的には再度変更の可能性もあるとのことですが、現在予定されているものとしては、
主には以下の通りです。(以下は沖縄県内の場合の要件です。)
1.対象業種が現行の6分野から以下の3分野に変更されます。(括弧内の番号は、日本標準産業分類http://www.stat.go.jp/index/seido/sangyo/19-3.htm における分類番号です。
・食料品製造業(09)
・洗濯・理容・美容・浴場業(78)
・社会保険・社会福祉・介護事業(85)
2.支給額(上限額)が変更になります。
・5人以上の場合・・・上限500万円
・5人未満の場合・・・上限300万円
3.雇入れ奨励金に以下のような新たな要件が加わります。
●支給申請日において、助成金の対象労働者を2人以上雇用していること
●対象労働者の要件としては?1週間の所定労働時間30時間以上であり、雇用期間の定めの無い労働者として6ヶ月以上雇用保険の一般被保険者として雇われていること、?一般公募などの通常の採用手続きを経て採用していること
詳しくは、こちら(PDF)をご覧ください。
ただ、今後変更の可能性もあり、要件の詳細については、担当窓口に確認する必要がありそうです。
ここのところ、助成金の縮小や廃止が相次いでいます。
創業時に対象となっている助成金についても例外ではないようです。
おおまかなものとしては、以下の通りです。
●中小企業基盤人材確保助成金→平成23年4月1日から、業種に制限が加わりました。(環境・健康分野等(成長分野等)での創業・異業種進出が対象となりました。):http://www.ehdo.go.jp/gyomu/kiban.html(独立行政法人雇用・能力開発機構HP)
●高年齢者等共同就業機会創出助成金→平成23年6月末で廃止予定http://www.jeed.or.jp/elderly/employer/subsidy/h21_subsidy_generation.html(独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構HP)
●地域再生中小企業創業助成金→平成23年6月1日より、助成額の縮小・対象業種の縮小等が予定されています。http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/pdf/chiiki-koyou_10.pdf (厚生労働省HP,PDF)
財政難の折、以上のような措置は避けられなかったことかもしれませんが、雇用創出の必要性という観点から見ると、今後、雇用支援制度の拡充が強く望まれるところです。