バブル崩壊後に就職活動した世代のうち、1970年代後半生まれの「ポスト団塊ジュニア世代」の男性が他世代に比べてが非正社員からぬけだせない人の割合が高いこと、90年代から本格化した派遣社員など非正規拡大のひずみが集中した―。こうした世代論を展開した2011年版の労働経済白書を
厚生労働省が8日発表しました。白書は職業訓練の拡充などを通じて、正規雇用への転換を支援すべきだと訴えています。
世代ごとに、働き始めてから年をとるにつれて、非正社員の比率がどう推移しているかを男性で調査しました。「ポスト」世代は、社会に出る時期が90年代後半の就職氷河期と重なり、20〜24歳時の非正社員比率は
16.9%と高かった。その後も不況や企業の新卒志向の根強さで、30〜34歳(09年時点)になっても
13.3%とあまり下がっていない状況です。
70年代前半生まれの「団塊ジュニア世代」は入社時の90年代前半の雇用環境は厳しかったが、
非正社員比率は20〜24歳時点で9.3%。35〜39歳(09年)には7.5%に改善しています。
80年代前半生まれは、20〜24歳時点の非正社員比率は26.6%と高かったが、25〜29歳
(09年)には半減し、大幅に改善しています。
また、非正規雇用の労働者は「技能・賃金水準も低いままで、同世代の中でも格差が拡大している」と指摘しています。職業訓練の拡充や、訓練履歴などを記したジョブカードの活用で、正規雇用への転換を強力に支援するよう訴えています。
雇用情勢全般について「東日本大震災で厳しさを増しており、雇用維持で人々の不安心理を払拭し、
社会の安定と持続的な経済成長につなげることが大切と強調しています。
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私の個人的な意見ですが、もっと、雇用を生み出そうとする企業に対して、支援や評価があって然るべきなのではないかと考えます。
新規求人を生み出そうとしても、正規雇用を生み出そうとしても、当然のごとく少なからぬ経費がかかるのであり、それを、個々の企業の「自己責任」で片付けられてしまう状況が色濃いような気がしてなりません。言うまでも無く、自己責任はあるのでしょうが、企業は、雇用を生み出し、利益を上げることで納税を行い社会に還元しています。自己責任ということで片付けられてしまうことに違和感を感じなくもありません。
もちろん、助成金等の公的な支援制度はあるにはあるのですが、なかなか活用しづらいといった現状も厳然として立ちはだかり、中小企業は孤軍奮闘を余儀なくされるケースが少なくないのではないか・・そのようなことを強く感じる今日この頃です。
厚生年金と国民年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は6日、平成22年度の運用結果は、2999億円の赤字だったと発表しました。前年度は3年ぶりに黒字となりましたが、再び赤字に転じたといいます。
年金給付に直ちに影響することはありませんがが、運用方針の練り直しを迫られそうです。年金積立金の取り崩しは6兆円に膨らんだとのこと。
運用資産全体(財投債を含む)の利回りはマイナス0.25%となり、09年度のプラス7.91%から大幅に悪化しました。09年度の運用益は9兆1850億円で、市場での運用を始めた01年度以降の最高を記録していました。
21年度はリーマンショック後の株安と為替差損の影響から回復して9兆1850億円の黒字でしたが、22年度はギリシャの財政危機に伴う欧州の金融不安や、米国の金融緩和による円高などにより国内株式と外国債券がマイナスに転落しました。また、東日本大震災発生から年度末までの間に国内株式はマイナス5・59%落ち込みました。
22年度末時点の運用資産額は116兆3170億円で、構成比は国内株式12%、国内債券67%、外国株式11%、外国債券8%、短期資産3%。財投債での収益を除いた市場運用のみでの赤字額は5692億円でした。
4日、厚生労働省が厚生年金に未加入の法人を把握するため、2012年度から法務省の法人登記簿情報を活用する方針を固めたことが明らかになりました。
少なくとも約11万事業所の加入漏れが日本年金機構の調査で明らかになっているとのことで、厚労省が法務省のデータ活用により未加入法人を把握し、加入漏れによる保険料徴収漏れを防止することで、社会保険料収入が数兆円規模で増える可能性があるとのことです。
厚生労働省は、8月1日から、雇用保険の「基本手当日額」を引き上げます。基本手当日額は、平成18年以来5年ぶりに上昇します。
東日本大震災の被災者の就労支援を目的とした厚生労働省の「被災者雇用開発助成金」をめぐり、被災地の事業主から不満の声が上がっています。助成金は国の本年度第1次補正予算が成立した5月2日以降の雇用が対象で、震災後でもそれ以前の雇用は対象外となるからです。事業主は「震災直後に雇った人の分も対象にしてほしい」と柔軟な運用を求めています。
厚労省によると、助成金は5月2日以降に被災者を雇った場合、1人につき中小企業で最大90万円、大企業で50万円が支給されます。最低1年間の雇用が条件になっています。
震災から5月1日までの雇用は対象外のほか、2日以降の採用でも過去3年間に同一の企業に勤務経験があれば対象から外れるなどの制限があります。岩手県内のハローワークには、「震災直後に被災者を雇用したのに不公平」「会社再建にめどが立ったので、震災後に解雇した元従業員の再雇用にも支給を広げてほしい」などの相談が数多く寄せられているといいます。
岩手労働局によると、今月15日現在、岩手県内で支給対象となるのは約2000件です。同県は県全体が被災地に当たり、震災が原因ではない失業者を雇用しても対象になるため、被害の大きい沿岸部での雇用は全体の2割にとどまっています。職業対策課は「被災者の就労支援につながっているかどうかは疑問だ」と首をかしげているとのこと。
これに対し、厚労省雇用開発課は「法の趣旨は、あくまで震災離職者の雇用状況をさらに改善すること。同一企業の勤務を認めると、助成金目当ての一時解雇の増加につながる」と説明しているそうです。