厚生労働省は25日、2009年に実施した個人年金や民間の医療保険などの加入状況に関する調査結果を発表しました。
65歳以上では全体の約77%が公的年金を当てにしているが、20歳代では約38%にとどまります。
老後への不安から、民間の個人年金に加入する人も全体の約16%にのぼったということです。
また、民間の個人年金に加入している理由(複数回答)について「公的年金だけでは生活に不安があるから」とする回答が53.1%を占め、公的年金制度の不信感が高いことが分かりました。
ただ年金の加入状況(複数回答)を聞いたところ、民間の個人年金に加入している人は16.2%で、2003年の同様の調査より7.9ポイント下がっています。
また、最も頼りにする老後の生計を支える手段については公的年金が57.9%と最多で、03年に実施した同様の調査に比べ2.6ポイント増えたようです。
2011年3月末より救済措置が打ち切られていた、アスベスト関連疾患の患者が原因に気付かないまま死亡し、労災認定の時効(死後5年)を理由に補償請求権を失権したケースについて、民主党・自民党・公明党の3党で救済措置を復活する石綿健康被害救済法の改正案提出の合意がなされました。
改正案では救済措置が当面10年間延長され、死亡時期が2016年3月27日前までに死亡した被害者に拡大されるようです。2011年8月23日の衆議院環境委員会で委員長が改正法案を提案し、今国会中には成立の見通しとのことです。
厚生労働省所管の独立行政法人「福祉医療機構」は、民間金融機関からの借り入れが難しい年金受給者に対し、年金受給権を担保に医療費など一時的に必要な資金を貸し付ける「年金担保融資制度」について、融資限度額を引き下げるなどルールを厳格化させることを決めました。
12月の融資申し込みから実施します。昨年、政府の行政刷新会議の事業仕分けで将来的に同制度を廃止する方針が決まり、当面の代替措置を検討していました。現行の融資限度額は年間の年金受給額の1・2倍ですが、1倍以内に引き下げます。また、返済額を毎回の年金受給額の半額以下とすることで一定の年金収入を確保するとのことです。
全国の主要企業を対象に、2012年3月卒業予定者等の採用活動に関する企業調査を調査会社が発表しました。 既卒者への内定出しについて、すでに内定を出した(予定を含む)企業は13.7%となったとのこと。従業員規模別に見ると、中小企業(〜299人)で内定を出したのは10.2%、中堅企業(300〜999人)も13.3%と1割台ですが、大手企業(1000人以上)は22.7%となるそうです。 3年以内既卒者に対して、今年度に関しては助成金の対象にもなっており、大手を中心と思われた既卒者の新卒扱いの動きが、今後中堅企業にも広がっていったと思われます。
既卒者の「新卒扱い」での受付について、「今年度から受け付けることにした」企業は全体の14.7%で、政府の要請以前から受け付けていた企業をあわせると、57.2%が受け付けていることがわりました。
既卒者を受け付けている企業に、卒業後何年目までを受け付けているか尋ねると、「規定は設けていない」が51.1%ともっとも多く、規定があるうちでは「3年以内」(34.7%)が最多となりました。
既卒者の就労経験については、「規定を設けていない」企業が67.9%ですがが、「就労経験がないことを必須としている」も26.7%に上ります。
サラリーマンが加入する厚生年金で、保険料を滞納する事業所が増えています。厚生労働省によると、
2010年度の滞納事業所数は16万2461と過去最高を更新しました。厚生年金に加入する全事業所の1割弱にのぼるといいます。長引く景気の低迷で企業の資金繰りが悪化しているようです。
国が求める保険料に対する支払額を示す「収納率」は97.8%で、4年連続で低下でした。
保険料の口座振替を利用する企業は80%近くにのぼります。資金繰りが悪化し振替ができない中小零細企業が増えているようです。日本年金機構は滞納事業所に対し、電話や訪問で納付を呼びかけるよう対策をとる予定です。また、悪質な業者には財産調査をし、保険料を納めてもらう方針とのことです。