社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の特別部会は13日、パートなど非正規労働者への社会保険の適用拡大について関係団体からヒアリングを行った。部会は厚生年金や健康保険への労働時間に関する加入要件を現行の「週30時間以上」から「週20時間以上」へ緩和する案を検討していますが、事業主団体が反対、労働組合が賛成の立場からそれぞれ意見を述べたようです。
社団法人日本フードサービス協会は「外食産業は働く88.4%がパート。要件緩和で新たに約100万人が社会保険に加入することになり、上場企業でも保険料負担が増えて経営が困難になる」と述べ、加入要件の緩和に反対する考えを表明したとのこと。
一方、小売り・流通業の140組合が加盟する日本サービス・流通労働組合連合は「企業で基幹的な労働者になっているパートに労働時間だけで社会保険を適用しないのは差別だ」と、賛成の立場から意見を述べましたといいます。
年金資格を変更せずに保険料が未納になっている専業主婦の年金問題で12日、厚生労働省は、年金に関する必要な手続きをしていない専業主婦を救済するため、過去10年間にさかのぼって保険料を納付できる特例を、3年間の時限措置として認めるなどとした法案の骨子をまとめました。
政府は、ことし1月、年金に関する必要な手続きをしておらず、受給額が減るなどのおそれのある専業主婦を救済するため、2年間分の保険料を納付すれば加入記録に応じた年金を支給する措置を始めましたが、公平性を欠くなどと批判を受けたことから廃止し、新たな救済策を検討してきました。
厚労省の社会保障審議会の特別部会がまとめた報告書によりますと、(1)過去10年分の保険料未納分を追加で納付可能に(3年間の時限措置)(2)保険料の未納期間を「カラ期間」として受給資格期間に算入するが、年金額には反映させない―などとしました。
また、過払いになっている受給者は、追納状況に応じて今後の年金額を減額。過去5年分の過払い分も今後5年の年金から減額する形で返還を求めるとのことです。
厚生労働省は、こうした救済法案を次の臨時国会に提出する方針であるようです。
2011年10月6日、厚生労働省で「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」ワーキング・グループの第2回会合が行なわれました。資料として、職場におけるいじめ・嫌がらせに関する定義ならびに参考として教育現場におけるいじめ・嫌がらせに関する定義、行為態様の典型例、国際機関ILOやEU・スウェーデン・フランス等諸外国における取組等が議題に挙げられました。
この「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」ワーキング・グループの会合は2012年3月までの間に3回開催され、2012年3月をめどに「職場のいじめ・嫌がらせ問題の防止等に向けた提言(仮称)」を取りまとめることとなっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001qtzp.html
昨年1年間に全国の医療保健事業者(病院や福祉施設など)を労働基準監督署が調査した1893件のうち、労働基準法違反で是正を勧告したケースが1440件(違反率76.1%)に上り、全事業者の違反率66.7%を10ポイント近く上回っていることが、厚生労働省のまとめで分かりました。
勤務医が過重労働を強いられるケースも多いとみられ、勤務医の労働条件改善に取り組む全国医師ユニオンらは6日、病院を指導するよう同省に要請しました。
同省によると、医療保健事業者の違反率は09年も82.4%。同ユニオンは「月80時間を超す時間外労働は過労死の危険があることを医療機関に周知徹底すること」など15項目を要請したといいます。
「協会けんぽ」は4日、高齢化の進展などによる財政状況の悪化が進み、現在、全国平均で9.5%の保険料率を、来年度、0.7ポイント引き上げる必要があり、初めて10%を超えるという試算を発表しました。
来年度は、高齢化が進み、高齢者の医療費などへの拠出金が今年度に比べておよそ3200億円余り増える見通しだということです。その一方で、保険料収入は景気の低迷から減る見通しで、現在、全国平均で9.5%となっている保険料率を0.7ポイント程度引き上げ、初めて10%を超えて、10.2%にする必要があるとしています。保険料率が引き上げられた場合、3年連続となり、このとおりに保険料率が引き上げられれば、平均的な加入者である月収28万円のサラリーマンの場合、月額でおよそ1000円、年額でおよそ1万3000円の負担増となります。「協会けんぽ」は、引き続き国に財政支援を求めるとともに、高齢者医療の公費負担を増やすなど、制度の見直しを働きかけていく方針とのことです。