社会保険庁は10月から業務の民間委託範囲を拡大し、今後は免除申請手続きを促す業務を加えるとしました。
これまでは民間委託範囲を、国民年金保険料滞納者への納付監督業務に限定していましたが、08年度の国民年金保険料の納付率が前年度(63.9%)を下回り、過去最低を更新したことから、収納対策の強化により、制度の空洞化に歯止めをかけるのが狙いです。
社会保険庁はこれまでは滞納者への電話や、戸別訪問による納付促進をコールセンター運営会社など民間企業に委託していました。その納付督励によって納付できない状況にあると判明した場合、民間企業はその情報を社会保険庁に伝えるだけしか出来ませんでしたが、9月に実施する新たな民間競争入札で、民間企業が納付促進だけでなく、免除申請の勧奨もできるようにします。
民間業務委託の導入地域も拡大し、現在の185ヶ所に127ヶ所を加え、全国312ヶ所の社会保険事務所を網羅することになります。
社会保険庁が収納対策を急ぐのは、公的年金制度を維持前提となる納付率80%の実現が課題となっているためで、免除を増やせば納付率算定式の分母を減らせて、「納付率」を上げることができるからであるようです。
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