聴覚障がいの障害者手帳不正取得事件で、虚偽診断書作成の疑いで強制捜査を受けた札幌市の耳鼻咽喉科医、前田幸あき(よしあき)医師(73)の診断書に基づき支給された障害年金は約7億円に上ることが、社会保険庁の調査でわかりました。社保庁は前田医師が障害年金の受給にも絡んで虚偽診断書を作成していたとして、道警に告発する方針です。社保庁によると、書類が保存されている02〜07年度の6年間で、前田医師が診断書を作成し、障害年金を受給したのは計137人で、いずれも虚偽の診断書により受給した可能性が高いとみられています。このうち、年金の受給を辞退するなどした110人については今年4、5月分から支給を停止していますが、停止総額は2カ月間で約2400万円にも上ります。
また、この偽装事件をめぐり、障害年金受給の仲介役だったとされる北海道芦別市の無職近藤順一容疑者(68)=詐欺などの疑いで逮捕=らが受給者に高額な報酬を要求して受け取っていたことが分かりました。 近藤容疑者は、障害年金や社会保障についての「勉強会」を開くと称して人を集め、偽装を勧誘する場にしていたということです。この事件では、不正な診断を繰り返したとされる前田医師が多額の診療報酬を、年金申請を代行した社会保険労務士の香田清容疑者(67)が多額の手数料を得ていた疑いがあり、容疑者らがそれぞれの立場で不正な利益を得る構図が浮かんできました。
耳が不自由であり、障害者手帳を持つ両親のもとで育った者として、この事件は、本当に「情けない」限りです。
おまけに、この事件には、社会保険労務士の関与も疑われているとのことで、私自身も問われている問題だと、考えさせられます。
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