中小企業の会社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は2012年7月9日、2011年度の決算を発表しました。保険料などの収入から医療費などの支出を差し引いた収支は、2586億円の黒字でした。黒字は2年連続で、09年度に3179億円あった累積損失は解消しました。剰余金は1947億円となりましたが、法律上必要な6000億円弱には届かず、財政基盤はなお弱いままです。
協会けんぽは09年度に8.2%だった保険料率を10年度から毎年、段階的に引き上げており、12年度は10%となっています。11年度も料率アップにより収入が前年度比3%増の8兆577億円。一方、支出は医療費の支払いと高齢者医療制度への拠出金が増え、3%増の7兆7992億円でした。
同日記者会見した小林剛理事長は11年度決算について「黒字を確保したといっても、医療費の増加は今後も見込まれる」と述べ、協会けんぽの財政改善のために13年度に国庫補助金の増額を政府に求める考えを明らかにしました。
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