2012年5月28日、厚生労働省は低所得世帯への支援策を話し合う研究会の初会合を開きました。医療、介護、保育費や障害者の福祉サービス料の自己負担額を合算して、世帯ごとの上限額を設ける「総合合算制度」を検討する会合です。1年程度かけて、上限額の算出方法などを議論し、2015年以降の導入を目標としていますが、対象世帯の特定が困難である点などの課題が懸念されています。
総合合算制度は社会保障と税の一体改革で盛り込まれた低所得者対策の中の一つです。政府は2015年に導入予定の社会保障と税の共通番号を利用して低所得世帯の自己負担額を調べます。上限を超えた負担額は4000億円を使い、補助する方針としています。
現行の医療や介護制度でも低所得層向け対策として、住民税非課税世帯の保険料は軽減していますが、住民税非課税となっている対象者は約3100万人程度いるといわれ、総合合算制度を実現するためには対象者を絞り込む必要があります。研究会では、低所得層を特定するための基準を検討する予定とのことです。
|