2012年2月27日、厚生労働省の検討会はメタボリックシンドロームに注目した「特定健診・保健指導」について、肥満ではないため現制度では指導対象にならないものの、血圧などが高めの人にも丁寧な情報提供や保健指導の実施が必要と認め、制度を見直す方針に合意しました。
厚労省は、2013年度からの制度見直しに反映させる予定です。特定健診・保健指導の制度では、これまで内臓脂肪の蓄積が生活習慣病の原因と位置づけられ、腹部肥満が保健指導の第1条件とされてきましたが、今回の制度の見直しではこの枠組みについて、非肥満者への対応を医療保険者や市町村などに追加で求める予定となっています。
非肥満者でも血圧や血糖などの値が高めの場合、心筋梗塞など心血管疾患の危険性が高まることが国内外の研究で分かっているため、現在の制度ではチェックに漏れてしまう非肥満者についての対策が求められていました。
また、慢性腎臓病患者の場合は非肥満者も多いため、現在の制度では腎機能低下の兆候を見落とす可能性がありましたが、検討会は、腎機能障害の早期発見のための検査値「血清クレアチニン」を、新たに特定健診の検査項目に追加する方向で合意したといいます。
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