歴史的な円高で日本の自動車メーカーの国際競争力の低下が懸念されるなかで、トヨタ自動車が、労働組合に対し、従業員が毎月の労働時間の上限に縛られずに柔軟に働くことを認めるように申し入れ、双方が議論を始めることが分かりました。
トヨタでは現在、一部の職種を除いて従業員の毎月の労働時間に上限が設定されており、この上限を超えては働けない仕組みになっています。一方、韓国の自動車メーカーなどは、忙しいときには労働時間の上限を超えて働ける、柔軟な制度を取り入れているとのこと。
トヨタでは歴史的な円高が続くなか、このような制度の差が国際競争力の低下を招く一つの要因になっていると考え、組合側に毎月の労働時間の上限に関係なく、柔軟な働き方を認めるよう申し入をしたそうです。これを受けて、トヨタとグループ各社の労働組合が加盟する「全トヨタ労働組合連合会」では、2011年9月16日に静岡県での定期大会で、2012年の春に向けて議論を始める方針であるようです。しかし、組合の内部には、今回の申し入れを受け入れると際限のない労働につながるという意見もあり、今後の労使交渉の焦点の一つになりそうです。
|