全国に608ある厚生年金基金のうち、9割近い529基金が企業年金の利回りを5.5%と想定していることが厚生労働省の調べでわかりました。実際の利回りは5.5%を下回ることが多く、このうち364基金で積立金が不足し、不足額の総額は1兆1200億円に達している模様です。
2009年度までの過去10年の運用実績は平均マイナス0.5%、過去20年をみてもプラス2.3%に過ぎず、今回の調査は2010年3月末時点のもので現在の積立金の不足額はさらに膨らんでいる可能性もあります。
企業年金制度は現役世代が多く、年金を受け取る受給者が少ない高度経済成長期に始まりました。
ところが現在でも厚年年金基金の多くは、当初の設定を変えておらず、10年物国債の利回りが1%台前半で推移していることを考えると、5.5%の想定利回りはかなり高いと指摘されています。