長期間の過重労働で糖尿病を発症したとして、すし店チェーンに勤務していた元従業員の男性(60)=大阪市=が国に労災認定を求めて大阪地裁に提訴したことが20日、分かりました。男性は生活習慣に起因するとされる2型糖尿病で大半の日本人患者が2型とされます。今回、訴訟で過労と糖尿病の因果関係が争われるのは異例です。
訴状によると、男性は平成4年4月にすしチェーンに入社し、調理を担当していましたが、19年夏以降、両足がむくむなど症状が悪化し、糖尿病と診断されて、休職を余儀なくされました。
男性は休業補償などを請求しましたが、労働基準監督署は不支給を決定しました。
男性側は「入社以来、時間外労働はおおむね月150時間に及んでおり、糖尿病の発症は長期間の過労が原因」と主張しています。
厚生労働省は脳・心臓疾患の労災認定基準として、時間外労働が発症前2〜6カ月で月平均80時間を超える場合などと定めていますが、糖尿病にはこうした基準がないといいます。
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