厚生労働省は2011年度の国民年金の保険料を引き下げる方針を決めました。10年度の月額1万5100円のところ、80円下がり、1万5020円となります。制度に沿った見直しで、1961年度に国民年金制度が発足してから、引き下げは初めてになります。
自営業者らが加入する国民年金の保険料は2年前の物価や賃金の伸びに応じて調整する仕組みで、04年の年金制度改革で17年度まで毎年引き上げ、その後は1万6900円に据え置くと決めました。年280円の引き上げを基準に想定していますが、これは、04年時点の物価水準に基づく指標で、実際の見直しは物価や賃金の動きを反映して見直すことになっています。
11年度の保険料の算定は、09年の全国消費者物価指数(CPI)と06〜08年の実質賃金をもとに計算しました。09年のCPIはリーマン・ショックや原油価格の下落などで、前年比でマイナス1.4%、06〜08年の実質賃金は年平均でマイナス1%減となり、これらを反映して計算すると月80円の引き下げになります。
尚、会社員が加入する厚生金の保険料率は、物価の動向に影響を受けず、保険料率は17年度まで毎年0.354ポイント上昇し、11年の10月納付分から16.412%(労使折半)となります。
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