外国籍であることなどを理由に大分市が生活保護申請を却下したのは違法として、
日本で生まれ永住権をもつ同市の中国籍の女性(78)が処分の取消や保護開始決
定を求めた訴訟の判決が18日、大分地裁でありました。
女性側は「少なくとも永住外国人には憲法で保障された生存権があり、生活保護法
が適用される」と主張しましたが、「生活保護法は日本国籍者に限定した趣旨。外国
人への生活保護は贈与にあたり、受給権はない」として女性の請求を退けました。弁
護団によると、永住外国人に対して生活保護の受給権を認めないと明示した判決は
初めてということで、女性側は控訴する方針です。
判決によりますと、この女性は2008年12月、大分市福祉事務所に生活保護申請
をしましたが「女性名義の預金が相当額ある」という理由で却下されました。 外国人
の受給権の有無と、経済状態などからこの女性が要保護者に当たるかということが
争点でした。
裁判長は受給権について、「永住外国人を保護対象に含めないことが憲法に反する
とは言えない」と述べて、事実上門前払いとする裁決をしています。
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