障害年金の申請に必要な診断書などを偽造して請求したとして、日本年金機構(旧社会保険庁)は1日、機構本部障害年金業務部の40代男性准職員を同日付で懲戒解雇したと発表しました。職員による診断書偽造は、旧社会保険庁時代を含め例がないといいます。
機構によると、申請したのは妻と妻の知人の障害厚生年金で千葉県松戸市の医療機関と医師の名を使い、統合失調症などの傷病名をつけて診断書や請求書を偽造。4月に荒川年金事務所に提出していました。初診日が空欄だったなど記入漏れがあったため医療機関に照会したところ、診断書の偽造が発覚、審査が通っていれば、それぞれ年200万円程度の障害年金が支給される見通しでした。准職員は「書類作成を経験してみたかった」と説明しています。
准職員は08年9月に旧社会保険庁に採用され、10年1月に有期雇用の職員として採用されました。機構は6月3日にこの職員を詐欺未遂などの容疑で警視庁に刑事告訴しましたが、3カ月間公表していませんでした。
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