イギリス政府は29日、現行では民間企業の定年を65歳以上としていますが、公的年金の受給開始年齢の引き上げに備え、高齢者の雇用を促進するために、定年制を2011年10月に廃止すると発表しました。
これに対して、産業界は「性急な決定で、企業側に多くの問題が残る」(英産業連盟=CBI)と反発しています。
イギリスの法律では「企業が年齢を理由に従業員を退職させることのできる定年」を65歳以上と規定いるため、多くの企業は定年を65歳としています。
これからは年齢を理由に退職させることが認められなくなり、来年10月以降に65歳となる人は、希望すれば期限を設けずに働き続けることができます。
現在は男性の公的年金の受給開始年齢は「65歳」となっていますが、段階的に引き上げることになっており、その第1段階である66歳への引き上げを現行計画(男性は2024年から)より前倒しすることを検討しています。
定年制の廃止は年金の受給年齢引き上げの波紋を和らげる目的もあるとみられています。
イギリスに進出している日本企業も影響は避けられない見通しです。
|