リクルートの研究機関・ワークス研究所(東京・千代田)の調査によると、2009年度の正社員の中途採用実績は前年度比49.9%減となり、金融危機による景気後退の影響で、サラリーマンの転職が難しくなっている状況が明らかになりました。今年に入ってから有効求人数が回復するなど企業の採用意欲は強まっていますが、パートなど短期の求人が先行し、正社員の中途採用は依然として狭き門となっているようです。
今回の調査は2994社を対象に集計。09年度の中途採用実績は1社当たり平均7.39人で、08年度の14.74人から半減ました。08年度は15.6%減でした。
中途採用の減少率は、厚生労働省の雇用動向調査で判明している1974年の第1次オイルショック(18.9%減)や、86年の円高不況(10.1%減)を大きく上回り、比較可能な70年代以降で過去最大となっています。
10年度の中途採用計画を聞いたところ、予定があるのは全体の34.2%と3社に1社にとどまっています。昨年調査より3.9ポイント減っており、「予定がない」は47.4%と昨年並みでした。
中途採用抑制は「新卒を優先した結果」(同研究所)との見方もあります
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