大企業のサラリーマンらが加入する全国の健康保険組合の9割近くが、2010年度予算で赤字になる見込みになりました。赤字は総額6605億円に上り、過去最悪となることが健康保険組合連合会(健保連)の集計で7日に分かりました。不況による給料の減額が保険料収入を直撃したかたちになります。
健保連が全1462組合のうち1313組合(89.8%)の予算データをもとに推計しました。前年度予算に比べて赤字額は398億円増え、1295組合(88.6%)が赤字の見込みです。保険料の算定基準で、給料に応じて決まる標準報酬月額の平均額は前年度より1.98%減少となり、賞与に応じた標準賞与額も6.51%減と落ち込みが顕著となっています。
財政を安定させるため、日産自動車などの352組合が保険料率を引き上げました。保険料率の平均は全体でも前年より0.19ポイント上がって7.62%になります。財政悪化から09年度中に13組合、今月1日付で3組合が解散し、一方で、61組合は保険料率を引き下げました。
今国会では、中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽの保険料負担急増を抑える法案が審議されています。高齢者医療への支援金について、協会けんぽの負担分を健保組合などが支援する内容で、成立すると健保組合全体で今年度はさらに約330億円の負担増、来年度は500億円の負担増の見込みとなります。
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