中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は27日に開いた総会で、症状が軽いのに救急外来を受診する患者から特別料金を徴収する新制度について、4月からの導入を見送ることを決めました。
厚生労働省は救急病院に勤める医師の負担を軽減するために導入したい意向でしたが、中医協で「軽症か重症か患者には分からない」などと反対意見が出たためです。
厚労省は「指にトゲが刺さった」などの理由で気軽に救急病院で受診する「コンビニ受診」が広がり、勤務医の負担が重くなっているとの判断により、中医協に虫刺されなどの軽症患者が全国221カ所にある救命救急センターの救急外来を訪れた場合に、保険診療の自己負担分とは別に特別料金を徴収できるようにする案を提案しました。
しかし、中医協では「逆にお金を払えば(軽症でも)救命救急センターに行っていいことになりかねない」との慎重論が出て、委員の間で意見がまとまりませんでした。
厚労省は今後、患者への注意喚起や広報活動で対応するとしています。
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