総務省は22日、雇用保険料で運用される雇用安定事業と能力開発事業についてムダがあるとして、厚生労働省に運営を改善するよう勧告しました。08年度に実施した102事業(当初予算額1371億円)のうち過半数の58事業(同937億円)で不適切な内容や手続きが確認されたとして、改善を求めました。中でも、働く女性をサポートする施設「女性と仕事の未来館」(東京都港区)は事業費よりも人件費などが過大で、廃止も含めて検討するよう求めています。
調査は08年12月から今年1月、厚労省や公共職業安定所などを対象に実施。勧告によると、希望しない労働者に常用雇用を勧める事業や、学生の就職支援で類似事業を複数手がけていたり、奨励金申請の際に必要のない資料を提出させているケースを確認。外国人の求職者向けパンフレットでは外国語の表記がなく、日本語で作ったりするケースもあったといいます。
「未来館」については財団法人「女性労働協会」に運営を委託していますが、08年度の運営費3億2333万円のうち事業費は9451万円と全体の3割以下。残りの7割は人件費や管理費に使われていました。
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