人材派遣各社が民主党がかねてから打ち出している労働者派遣法の改正をにらみ、製造請負や店舗の運営受託など請負・受託型サービスに移行することを発表しました。リーマン・ショック後の生産調整などで国内派遣労働者数は3割近く減少しています。派遣法改正で規制が強化されれば、さらに派遣労働者の需要が減ると予測し、人材各社は派遣以外の業務に軸足を移しています。
具体的には、派遣業から撤退して請負に転換したり、外食店舗への派遣を運営受託に切り替えたりしています。
製造業派遣大手の日本マニュファクチャリングサービス(nms)は3月末までにすべての製造業派遣契約を請負に切り替えます。昨年12月に仙台、東京、大阪で請負への転換へ向けたセミナーを実施しました。半導体製造請負のUTホールディングスも2009年末までに製造業派遣の契約をほぼゼロにし、請負契約に切り替えました。
事務系、製造業など幅広く人材を派遣しているフジスタッフホールディングスは外食店舗の運営受託サービスに参入します。現在は外食店向けに人材を派遣していますが、この分野で派遣業の継続は難しいと判断しました。
派遣法の改正内容によっては、請負契約へ切り替えるほど業務量がなく、また、いまの派遣社員を正社員に切り替えるほど余裕のない中小企業にとって、厳しい選択を迫られることになりそうです。
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