厚生労働省は9日、雇用保険法改正の原案をまとめました。保険料を納めたにもかかわらず、手続き上の問題で未加入扱いになった人の遡及(そきゅう)期間を現在の「2年まで」から「2年超」に延長し、保険の加入に必要な雇用見込み期間も「6カ月以上」から「31日以上」に短縮する予定で、非正規労働者などを対象に加える狙いです。
同日開いた労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で提示しました。審議会が原案を基に年末までに答申をまとめ、年明けの通常国会に改正法案の提出を目指します。
一方、失業給付に充てる雇用保険料率は現在より0.4ポイント引き上げるとのことです。麻生前政権が景気対策として今年度0.8%に引き下げましたが、景気低迷で保険収支が悪化していることなどから、特別措置を打ち切り、労働者負担分は今の0.4%から0.6%に増え、月収30万円の場合、月600円の負担増になります。
休業手当を助成する雇用調整助成金などの財源として事業主が負担している部分についても、現在0.3%の保険料率を、0.35%に引き上げる方針で、雇用調整助成金の支給要件が今月から大きく緩和され、来年度末に財源が3千億円程度足りなくなる見込みで、事業主にも負担増を求めるとのことです。
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