厚生労働省は3日、中小企業のサラリーマンら約3500万人が加入する「全国健康保険協会管掌健康保険」(協会けんぽ)の財政悪化を受け、大手企業の健康保険組合と公務員などの共済組合が拠出している後期高齢者医療制度への支援金を来年度から引き上げる方向で調整に入りました。協会けんぽへの支援は、総額で約2500億円の新たな財政対策を実施する方針です。
ただ、協会けんぽへの国庫補助を健保組合などが肩代わりする形になるうえ、大手企業のサラリーマンの保険料アップにつながります。全国で約1500ある組合健保には協会けんぽと同じように赤字に苦しむところが多いため、日本経団連や健保組合の反発は必至。厚労省は年末の政府予算案の編成までに決着させたい考えですが、調整は難航しそうです。
後期医療の給付費の約4割は現役世代が負担しており、健保組合、協会けんぽのほか、国民健康保険や共済組合が支援金を出しています。支援金の額は加入者数に応じて決まり、健保組合(約3千万人)は年間1兆3千億円、協会けんぽ(約3500万人)は1兆5千億円。
しかし、健保組合のほうが財政力が比較的豊かであることから、厚労省は「支援金」の算定方法を変更して行う方針。来年の通常国会に関連法改正案を提出する考えです。
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