連合は19日の中央執行委員会で、10年春闘の闘争方針案をまとめました。策定済みの基本方針に基づき、統一的なベースアップ要求を見送る一方、定期昇給に相当する「賃金カーブ維持分」の確保を掲げ、定昇水準として月額5千円を目安に示しました。12月3日の中央委員会で正式決定します。
連合が賃金カーブ維持分の目安を示すのは従来にない取り組みです。厳しい経済情勢を踏まえ、「来春闘は統一的なベア要求を出せる環境にない」と判断したが、傘下労組から「数値目標がないと交渉しにくい」という声が出ていました。
このため、もともと定期昇給がない中小企業や非正社員の底上げを念頭に、1年勤続した労働者が得られる標準的な昇給の水準を示しました。
団野久茂副事務局長は「中小企業の約8割は定昇制度がなく、大手の定昇と同等の要求をしないと賃金水準は下がる。これ以上、下げさせないための基準だ」と話しています。
パート労働者の時給も、この水準に見合った30円のアップや絶対額1千円程度などの目標を示し、いずれかの実現に取り組むとしています。
今後、闘争方針を正式決定した後、傘下の産業別組合や単組が個別事情を考慮して要求を固める。私鉄総連など一部の産業別組合は、ベア要求を掲げる方向で検討を進めています。
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