長妻昭厚生労働相は24日、年金記録問題の8億5000万件に上る紙台帳とコンピューター内の記録の照合作業に、2011年度までに約6万人を投入する方針を固めました。13年度までの全件照合を目指し、11年度までに全体の70%程度の照合を済ませる考えです。来年1月に発足する日本年金機構の職員増員やアルバイト職員の雇用などで対応する方針です。
政府は年金記録問題の解明を「国家プロジェクト」と位置づけ、2年間で集中的に対応するとしています。
またこれに先駆け、政府は23日、公的年金の加入者が郵便貯金のATMで年金記録を確認できるサービスを導入する検討に入りました。厚生労働省が2010年度の創設を目指している「年金通帳」を活用するもので、全国の郵便局に設置しているATMに通帳を差し込むと、年金の加入期間や保険料の納付額、もらえる年金額などが記載される仕組みを想定しています。
長妻昭厚労相が同日、亀井静香郵政・金融担当相に年金通帳の導入に関して郵便局のネットワーク利用を打診し、郵政相が大塚耕平内閣府副大臣に検討を指示しました。郵政相は同日の講演で「2万を超える郵便局を新しくどう活用するかは大きな課題」と指摘しており、政府の郵政改革の基本方針には、郵便局を行政サービスの拠点として位置づけることを明記していました。郵便貯金は年金の受取口座としても広く使われており、郵政相も対応しやすいと判断したものとみられます。
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