全国健康保険協会(協会けんぽ)が来年度の保険料率を現在の全国平均の8.2%から9.5%まで引き上げる必要があるとの試算をまとめたことが、17日わかりました。
9月の時点では9.0〜9.1%の見込みでしたが、景気悪化で加入者本人の平均給与が予想よりもさらに下がる見通しとなり、それに伴い保険料収入の不足が膨らむことが判明したものです。
保険料が仮に9.5%まで引き上げられると、加入者の負担は平均的な給与(約28万5千円)の場合で、現在より年間2万5千円程度増えることになります。
厚生労働省は、負担軽減のため、来年度予算の概算要求で、協会けんぽに対する国庫補助の増額を盛り込みました。国庫補助は現在は医療給付費の13%ですが、健康保険法では、本来16.4%〜20.0%と定められており、厚労省は最高の20.0%まで引き上げたい考えです。
そのためには、3700億円と巨額の追加財源が必要で、仮にそこまで補助を増やしても保険料率は9.0%に抑えるのがやっとと見られています。
ただ、今回の試算は2009年度の積立金不足1500億円を単年度で取り戻すという前提つきで、協会は数年かけて財政を健全化させるなどの方法で、急激な保険料アップは抑制したい考えです。
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