長妻昭厚生労働相は8日、社会保険庁を解体して年金部門を担当する新設の非公務員型法人「日本年金機構」について、「熟慮の末、発足を決断した」と述べ、前政権の方針通り、年金機構の来年1月の発足を正式に表明しました。この話題は、ニュースなどでもご存知の方も多いかもしれません。
民主党は衆院選前まで同機構の設立に「年金記録問題の解決がうやむやになる」などと反対していました。長妻厚労相の発言は軌道修正になります。
長妻氏は、新しい年金制度が始まる前に、社保庁と国税庁を統合して「歳入庁」をつくる構想があることを踏まえ、年金機構が歳入庁発足までの「つなぎ」として時限的な組織であることも示唆しました。
民主党内には機構への移行に反対論も根強かったのですが、厚労相は「すでに民間からの内定者もおり、(移転先が決まっている)オフィスの問題、(機構の)コンピューターシステムの開発も進んでいる」と述べ、移行凍結が困難な状況だったことを説明しました。
また、すでに健康状態などを理由に内定が出ていなかった社保庁職員291人(うち正規職員59人)と、民間から準職員(有期雇用)として970人の計1261人の採用が内定しており、発足を止めれば雇用問題に直結しかねないとの事情もあります。
今後は年金記録問題などで懲戒処分を受け、機構に採用されず分限免職となる社会保険庁職員の扱いなどの処遇が焦点になります。
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