中央最低賃金審議会は29日に、2009年度の最低賃金改定額の「目安」をまとめ、舛添要一厚生労働大臣に答申しました。
生活保護の水準を下回る地域には逆転の解消を求め、最低賃金が生活保護水準を上回る35県は改定額を示さずに、「現行水準の維持を基本」とする実質的に据え置きとした内容でした。
昨年施行された改正最低賃金法は、生活保護にかかわる施策との整合性を求めています。地域別最低賃金は都道府県ごとに決まっていて、中央の審議会が毎年夏に改定額の目安を示した上で、各都道府県の審議会が答申し、労働局長が正式に決めます。
本年の目安においては、世界同時不況のあおりを受けて、経営側が厳しい姿勢を譲らず、労働側の要求にブレーキがかかった格好となりました。
最低賃金であっても、その収入だけで自立した生活が成り立つのが当然であり、働いて得た賃金が、収入のない人に最低限の生活費として支給される生活保護のレベルを下回るとしたら、働く意欲がそがれ、経済がますます停滞する恐れがあります。
賃金を含め、雇用のあり方などをどうしていくのか、国民の関心は高く、各党の公約にも注目されます。
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