自営業者らが加入する国民年金の保険料納付率が2008年度に過去最低を更新し、62.1%にとどまったことが明らかになりました。3年連続の低下で、政府の目標である80%を大きく下回りました。保険料の徴収を担当する社会保険庁が年金記録漏れ問題の対応に追われたうえ、雇用悪化で支払いに二の足を踏む人が増えたことも影響した模様です。
納付率の低下は将来、低年金・無年金者の増加につながります。社保庁は保険料の一部あるいは全額が免除になる制度の利用などを呼び掛けていますが、効果が挙がっていないのが現状です。
政府は2月に公表した年金の財政検証で、国民年金の納付率が80%で維持されると設定しています。その上で、将来の厚生年金の給付水準(所得代替率)は現役世代の収入の50・1%を維持できると試算しましたが、このまま納付率の低下が続けば給付水準の維持は難しくなります。
国民年金の現役加入者(第1号被保険者)数は昨年12月末現在、約1978万人。
国民年金は20歳以上60歳未満が加入。保険料の支払いを猶予・免除される低所得者などを除く全員に支払い義務があります。
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