毎日新聞が全市町村を対象に行った調査で、2008年度の国民健康保険の保険料は、最大3.6倍の地域格差が生じていたことがわかりました。自営業者や農漁業者のほか、年金生活者や失業者の加入が多い国保は「国民皆保険」制度の根幹ですが、国の医療保障政策として公平性に問題があると批判も出ています。また126の市町村(7.0%)が、所得の20%以上の保険料を徴収し、うち2市町では25%を超えていることも判明しました。
同調査は、全1794市区町村(2広域組合を含む)の2007、2008両年度の実態をアンケートなどで調べました。2006年度の厚生労働省の調査では、国保加入の1世帯あたりの平均所得は166万円。同年度までの10年間で約220万円との間を推移していることから、「世帯所得200万円で、40歳代夫婦と未成年の子2人の4人家族。固定資産税額は5万円」というモデルを設定し、年額の保険料算出を求めたものです。なお、このモデルでは計算不能な住民税方式を採用するなどの39市区町は除外しました。
2008年度の最高額は、大阪府寝屋川市の50万4030円で、北海道喜茂別町の50万2500円、福岡県矢部村の49万800円が続いた。最低額は東京都青ケ島村の13万9900円。続いて神奈川県開成町の16万2560円で、20万円未満が9町村ありました。
全国平均額は、2008年度で前年度比4.0%増の32万5165円で、前年度に対し値上げしたのは、801市町村で、値下げは458市町村。値上げ額の最高は、和歌山県湯浅町の19万9120円(74.5%増)で、204市町村が5万円以上を増額していました。
保険料高騰の原因については、被保険者の高齢化と医療高度化による医療費増を挙げる自治体が多く、1990年代以後に増加した失業者や非正規雇用労働者が国保へ移り、運営を困難にしているとの指摘もありました。
国民健康保険の保険料は、自治体によって保険料、保険税と名称が異なり、内容は、医療分▽後期高齢者支援金分▽介護保険分で構成され、3種を合計して算出します。3種とも、(1)所得割り(2)資産割り(3)平等割り(4)均等割りの4種の保険料からなることが多く(4方式)、所得割りと資産割りは、世帯ごとの所得や固定資産税額に一定料率をかけて算出します。平等割りは1世帯ごとに割り当てる一定額、均等割りは一定額に世帯の人数を掛けたもの。これに対し、住民税額を基に算出する方式もあります。また滞納世帯は2008年度に20%を突破したとしています。
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